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★見直しとなった新国立競技場建設に当初どの党も異を唱えていなかったという愚
高橋洋一 [嘉悦大学教授]
本サイトでは、新国立競技場問題において生き証人ともいうべき、鈴木寛氏のコラムもある。
6月11日付の「やはり『屋根』は必要！新国立競技場に関する誤解を解く」は、
当事者の貴重な資料である。その中で、「文部科学副大臣時代を含め、この10年、
オリンピック・パラリンピック招致に関わってきた経験」とあることからもわかるように、
キーパーソンの一人だ。
この論考を読んでわかるように、鈴木氏は推進派だった。実は、国会の議事録を見ても、
鈴木氏の他にも推進派の国会議員は多かった。
2013年までの主な国会論議をまとめたのが、下表である。
これらは、国会議事録を検索すれば、誰でも容易に確認できる。
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新国立競技場の建設は、もともと民主党、自民党、公明党、みんなの党、共産党、国民新党、
たちあがれ日本の各党、超党派の議連から話が持ち上がったという経緯がある。
2020年の東京五輪招致のために、みんな「応援団」だったのだ。
2011年6月1日、衆議院・文部科学委員会で、馳浩議員（自民）の質問に対し、
民主党の高木義明文科相は、
「やはりここで何らかの形で、ある意味では我が国のスポーツ施設のシンボルとして、
ぜひ新たな設備に耐震設計も含めてやらなきゃならない、このように思っております」
と前向きの答弁をしている。
同年12月7日、参議院本会議で、2020年東京五輪決議が共産以外賛成で行われた。
新国立競技場の建設に異を唱える人はまずいなかった。
新国立競技場建設の調査費予算がほぼ確実になった2012年3月、ＪＳＣの有識者会議が第1回が
開催された直後、3月13日、参議院・予算委員会で、友近聡朗議員（民主）の質問に対し、
民主党の奥村展三文科副大臣は、
「ただいま御質問いただきました国立競技場の有識者会議でございますが、3月6日に行われました。
14名の皆様方から構成をされまして、これはスポーツ振興センターの主催で行われました。
私も出席をさせていただき御挨拶をさせていただく中で、今、友近議員がおっしゃったように、
2019年ワールドラグビーの大会、そして閣議決定もいただきました2020年の東京オリンピック
招致につきまして、半世紀以上たった国立霞ケ丘競技場を何とかして改修をさせていただきたい
ということで、今お話しのように、この予算にも1億円を計上させていただき御審議を賜って
いるところでございます」と言い、さらに、
「そうした中で、その議論の中で3つのワーキングチームができました。建設をするワーキング
チームには安藤忠雄先生に設計の経験を生かして1つのチームをつくっていただき、そしてスポーツの
分野におきまして、使用する分野におきましてはサッカー協会の小倉会長にそのワーキンググループの
責任を持っていただくことにいたしました。そして、今後、競技場全体、文化や音楽やいろんな
分野にも使用できる、そういう分野におきましては作曲の都倉先生にその担当をしていただいて
進めていただくようになりました。是非積極的に御議論をいただいて、すばらしいものが
でき上がるように期待もさせていただいているところでございます」と前のめりの、積極的な答弁だった。
政権交代後、2013年5月7日、参・予算委員会で、鈴木寛議員（民主党）は、安倍首相をねぎらい、
「私、スポーツ担当の文部科学副大臣でありましたときに、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの
招致を東京都の皆さんと立候補を決めさせていただきました。新国立競技場の改築も与野党の皆さんの
御理解を得て一歩踏み込ませていただきました」と、それまでの民主党の取り組みを紹介している。
建設費が3000億円になると報道されたのは、2020年東京五輪決定後、2013年10月であるが、
その後の11月25日、参・決算委員会で、蓮舫議員（民主党）は、質疑の中で「建ててから55年
たっている国立競技場を建て替えるのは理解をします」として、追及対象を新国立競技場より、
他の独法ビルに絞っている。 >>2へ続く
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