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★慰安婦問題研究者が訴訟で論戦 吉見・秦両氏
編集委員・北野隆一2015年7月13日19時10分
慰安婦問題を研究する吉見義明・中央大教授が「記者会見で自著の内容を捏造
(ねつぞう)と言われ、名誉を傷つけられた」として、桜内文城・元衆院議員に
対して1200万円の損害賠償と謝罪広告を求めた訴訟の第8回口頭弁論が
13日、東京地裁であった。
この日は吉見氏に対する原告本人尋問と、被告の桜内氏側が申請した現代史家の
秦郁彦氏に対する証人尋問があり、慰安婦問題を長年研究してきた両氏による論戦が展開された。
旧日本軍の慰安婦は性奴隷かという争点をめぐり、秦氏は「彼女らの働いた
生活条件は性奴隷と言われるほど過酷ではなかった。職業として割り切った
女性もいる中、軽々しく比喩的に使うべきではない」と否定した。
これに対し、吉見氏は「慰安婦は居住、外出、接客拒否、廃業の自由がない
無権利状態にあり、慰安婦制度は性奴隷制度だったというのが私の研究の
中心的命題」と主張した。
訴状によると、日本維新の会共同代表だった橋下徹大阪市長が2013年5月27日
に慰安婦問題をめぐって東京都内で記者会見した際、同席した桜内氏が司会者の
発言についてコメントし、「吉見さんという方の本を引用されておりましたけれども、
これはすでに捏造であるということが、いろんな証拠によって明らか」などと発言。
吉見氏が提訴したのに対し、桜内氏は「『これは』は原告の著書ではなく『性奴隷』
を指したもの」と主張して争っている。(編集委員・北野隆一)
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