15/07/06 10:51:20.39
★乱高下する中国株、売買の8割以上は個人投資家
Q&A 中国の株価指数はなぜ数時間で10%も変動するのか?
2015.7.6(月) Financial Times (2015年7月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
中国には今、米国に次いで世界第2位の規模を誇る株式市場が存在する。
だが、いまだに極端なボラティリティー(変動)が特徴的で、代表的な株価指数が数時間で10%も
変動することがよくある。例えば、6月のある日には、中国株の時価総額が7000億ドル以上も吹き飛んだ。
■中国の株式市場の投資家の構成はどうなっている?
個人投資家が売買の80~90%を占めている。その多くは初めて投資する人たちだ。
今年5月だけで、1200万件の取引口座が開設された。
このことは、株式を売買する何百万という人たちが2007~08年の株式市場のバブルと
崩壊の直接的な記憶を、ほとんど、あるいは全く持たないことを意味している。
プロのファンドマネジャーでさえ、非常に短期の時間軸で行動することが多い。
多くのファンドマネジャーは月間あるいは四半期のパフォーマンスで評価されるため、
市場が動く時は、市場の値上がりを追いかけるよう圧力がかかる。
■国の政策は市場にどのような影響を与えたのか?
中国の市場は、よく政策主導型と言われる。それは金融政策の枠を超え、証券や銀行の規制にま
で深く入り込む。国営メディアの言葉も一定の役割を果たしており、さまざまな政府機関紙の
協力的なメッセージがこれを裏付けている。
だが、政府の発表は自由に解釈できることが多く、何百万人という投資家が真意を
読み取ろうとして、急激な上昇や下落につながる。
株式市場が政府にとっての政策手段であり、株価指数が国有企業に偏っている状況が続く限り、
中国政府の締め付けが著しく弱まる可能性は小さい。
政府は、例えば外国の大手資産運用会社や政府系ファンドに従来より自由なアクセスを
与えることで、長期的な機関投資家を育成しようとしてきた。だが、進歩は遅い。
■信用取引が成長の背後にある主な要因として挙げられてきたが、それは一体どのように機能するのか?
株式を売買するために借りたカネを使うことは世界中の株式市場に共通する特徴だが、
中国ではこの1年、この信用取引が爆発的に増加した。
マッコーリーによれば、信用取引が時価総額全体に占める割合は今年に入って過去最高に達した。
実際、歴史上、どの時点における他のどの市場のどんな水準よりもはるかに高い割合だという。
高水準のレバレッジは、株式相場がこの1年で極めて急激に上昇した理由を説明する一因に
なっている。だが、そうした借り入れの結果、投資家が追加証拠金の要求に応えるのに
苦しんだ途端、株式市場は急激な下落に陥りやすい状態になる。
規制当局は、金融システムの中で信用取引に伴う融資の水準を下げようとした。
これが最近の株価下落の主な理由になっている。
■新規株式公開(IPO)も市場を動かす一因になっているのか?
中国における新規上場のための制度は依然、当局によって厳しく統制されている。
国が事実上、新株の発行・売出価格を設定しており、新株を購入できる投資家に
迅速かつ大幅なリターンを事実上保証している。
上海市場が急落した時でさえ、新規公開株は大抵、44%の値幅制限いっぱいまで上昇していた。
その結果、投資家は新規上場銘柄が登場する前に市場から資金を引き揚げるため、
数日間にわたって数十億ドルの流動性が失われることになる。これが市場を撃沈する
ことがあるが、その後、資金が再び解き放たれた時は市場を押し上げる。
規制当局は、見直しの必要性に気づいており、IPOの承認権限を証券取引所に委譲することを約束している。
>>2へ続く
URLリンク(jbpress.ismedia.jp)