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★【外交・安保取材の現場から】「下品なこと」「うんざりする」 韓国の執拗な「産業革命遺産」登録阻止工作 辟易する外務省がとった策とは
2015.6.22 07:00
日本と韓国の間で歴史問題の新たな火種となっていた世界文化遺産に登録される見通しの
「明治日本の産業革命遺産」(福岡など8県)について、21日に都内で開かれた日韓外相
会談で、反対していた韓国が一転、協力することを約束した。韓国側も登録を目指す
案件があり、双方が協力することで一応の決着をみた。ただ、世界遺産委員国を
巻き込んだこれまでの韓国の反対攻勢は執拗だった。
「日本は下品なことはしない。国連教育科学文化機関(ユネスコ)を対立を
つくるような場にするのはいかがなものか…」
日本がユネスコ世界遺産委員会の委員国に外務副大臣らを「特使」として派遣すると、
韓国は後を追うように尹炳世外相を派遣。むきだしの対抗措置に日本の外務省幹部は
吐き捨てるように、そう語った。
韓国が何かにつけて歴史問題で日本の行動に反発するのは、もはや恒例になりつつある。
ただ、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者が拡大し、朴槿恵大統領が
訪米を延期するほど深刻な最中でも、尹氏が世界遺産委員会の議長国ドイツ、副議長国の
クロアチアを相次いで訪問し、反対をアピールするのはさすがに“奇異”に映る。
韓国側の反対理由は、登録対象施設の一部で強制徴用された朝鮮半島出身者が働かされて
いたということだ。韓国は「負の遺産で、人類の普遍的な価値を持つ遺産を保護する
という世界遺産条約の基本精神に違反している」と主張する。
もともと日本側は世界遺産に推薦するにあたり、登録対象時期を「1850年代から
(日韓併合の)1910年まで」としており、韓国の言う批判は的外れだとの立場だ。
対象時期に限定すれば、韓国が主張する事実は1910年の日韓併合後のこと。
今回の登録とは関係なく、その時期まで広げて反対だというのは「言いがかり」
でしかない。ただ、遺産登録は7月3~6日(日本時間)にドイツ・ボンで開かれる
世界遺産委員会で正式決定する。登録に反対の韓国も委員国で、反対意見が出た場合は
3分の2以上の賛成で登録は見送られる。対象時期が異なるからと韓国の主張を
取りあわなければ、政治問題化されて委員国の支持に迷いが生じ、声の大きい
韓国の主張になびきかねない。
実際、世界遺産の登録をめぐり、過去に政治問題化したケースはいくつかある。
例えば、イスラエルが申請した古代遺跡「ダンの3連アーチ門」。イスラエルと
アラブ諸国の対立がユネスコの場に持ち込まれ、平成20年の世界遺産委員会の
審議で「土地の所有者が未定」という理由でヨルダンが反対を表明。登録の可否は
真っ二つに割れ、最後は「国境問題の解決まで審議延期」ということになった。
韓国側は、そうした審議延期のケースに今回の産業革命遺産を持ち込もうとして
いたようだ。これに対し、日本側は「韓国が回った委員国をまた説得して回ったら、
委員国はうんざりする。泥仕合になるようなことはしない」(外務省幹部)と
あくまで日韓2国間での問題解決を重視する方針に切り替えた。日韓国交正常化
50周年の節目に来日する尹氏との日韓外相会談の直前に外務省幹部を韓国に派遣し、
歴史の事実関係の範囲内で明示することを伝え、一定の配慮をみせた。
ユネスコによると、世界遺産を「現在を生きる世界中の人々が過去から引き継ぎ、
未来へと伝えていかなければならない人類共通の遺産」と定義している。
7月の正式決定前ぎりぎりで双方が妥協したが、歴史問題を世界遺産の場にまで
持ち込むのが韓国の外交手法だ。あらゆる場面で政治問題化を想定して対処
しなければならないのは「重要な隣国」としては悲しいかぎりだ。
(政治部 楠城泰介)
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