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★【辛坊持論】マイナンバー考えるべきはその管理法
スポーツ報知 6月14日(日)17時1分配信
大方の世論を敵に回すのを承知で書きますが、日本年金機構の情報流出問題が起きたことを
理由にして、「マイナンバー導入を中止せよ」って主張するのはおかしくないですか?
「コンピューターで国民のあらゆる情報が一元管理されるようになると、その番号が流出する
ことで国民のプライバシーが丸裸になる」っていう危惧は理解できます。でもね、「そうならない
ように防護措置を取るべきだ」というのなら分かりますが、「マイナンバー自体をやめるべきだ」
という議論は全く方向性が違うでしょう。
そんな理屈がまかり通るなら、今回の年金記録流出問題を受けて、「基礎年金番号制度自体を
やめるべきだ」という事になってしまいます。でも、そんな意見はどこからも出ませんよね。
そりゃそうです。年金番号の存続は、年金制度維持に死活的に重要だからです。
第1次安倍政権時代に沸騰した年金記録問題のすべての原因は、公的年金制度がスタートした時に
「国民総背番号制」が導入されなかったことに尽きます。
日本の年金は長年、住所、氏名、生年月日だけで記録されてきました。例えば厚生年金の場合、
ある人が偽名やウソの生年月日で就職したら、その会社の申告通り、偽名やウソの生年月日で
年金記録が出来上がっていたんです。これが多くの「消えた年金」の実態で、その記録の
全持ち主を探すなんて、そもそも不可能です。この作業に累計数千億円を投じることを
決めた民主党政権には、「金返せ!」と言いたいですよね。
年金記録を番号で管理しようという動きは昔からあったんですが、「国民に牛のように番号を
振るのは反対」という大声に何度も潰され、1997年になってようやく厚生労働省の省令で
こっそりと導入されました。しかしそのおかげで、この時期より後では「消えた年金記録」が
新たに発生することがなくなったんですね。今となっては基礎年金番号自体を否定する人は
極めて少数派でしょう。つまり問題はその番号の管理にあるのであって、番号そのものには
ないってことです。
マイナンバーも同じです。議論すべきは、その必要性と管理システム問題です。このあたり、
もう少し論理的な思考をすべきじゃないですかねえ。((株)大阪綜合研究所代表・辛坊 治郎)
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