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★習政権、旅客船転覆 火消しに躍起 天安門「6・4」前に情報統制の強化
2015.06.03
中国湖北省の長江(揚子江)で乗客乗員456人が乗った客船が転覆した事故は3日、
発生から3日目に入った。捜索は難航を極め、420人以上が行方不明という
絶望的状況だ。習近平政権は「中国で最大の船舶事故(海事当局者)」が政府批判に
発展することを警戒。民主化運動を武力弾圧した天安門事件から4日で26年に
なることもあり、報道統制を強化している。
「今は一刻も早く乗客を救出することが急務だ。その後も多くのやるべき仕事があるが、
人民の利益を最優先に努力を尽くしてほしい」
現地入りした李克強首相が2日、現場の救助要員に指示した表情には焦りも感じられた。
中国当局は2日夜から3日にかけて、巡視艇など110隻以上の船や多数の潜水士らを動員し、
徹夜で懸命の捜索・救助活動を続けた。多数の乗客らが船内に閉じ込められていると
みられるが、国営中央テレビなどによると、3日午前までに14人が救助され、
18人の死亡が確認されただけだ。
中国メディアによると、交通当局の専門家は一般論として「水温15~20度の水中に
漬かった状態では12時間しか生存できない」と、船内に閉じ込められた乗客らの救助に
悲観的な見方を示した。
多数の乗客乗員の関係者が情報を求めて、上海のある政府関連施設や旅行会社に詰め掛け、
「政府は乗船者名簿を公表しろ」「どうして船長は先に船を出たんだ!」などと訴えた。
中国のネット上では、韓国で昨年4月に発生し、304人が犠牲になった旅客船
「セウォル号」沈没事故と重ね合わせる書き込みもみられる。
セウォル号事故では、運航会社や船長のほか、韓国政府の対応も批判の対象となった。
今回の転覆事故は、犠牲者数でセウォル号事故を上回る可能性があり、習政権が国民の
反応を警戒している様子が伺える。早々に「船長の責任」が浮上した背景には、
批判の矛先が政府に向かうのを避けたいとの思惑もにじむ。
共産党の一党独裁体制だけに、事実を隠すためか、情報統制も強化された。中国当局には、
2011年7月に死者40人を出した高速鉄道の追突事故の際、重機を使って事故車両を
現場近くに埋め、事故原因などの隠蔽を図ろうとした前例がある。
中国の宣伝当局が2日までに「すべての報道は、権威あるメディアの情報に従うこと」と、
新華社などの国営メディアや政府が発表した情報だけを報道するよう、国内の報道機関に
通知・指示したことが分かった。
関係者によると、独自の取材や報道を禁じる内容で、各メディアが独自に事故の原因や
責任を追及し、政府批判に発展することを警戒しているとみられる。
通知は1日夜の事故発生から間もなく出され、記者を現場に配置しないよう
地元メディアに要求。転覆船に近づく道路は警察に封鎖され、通行止めとなっているという。
URLリンク(www.zakzak.co.jp)