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★【油まき】「呪われた日本を油で清めた」「震災は神の意志」逮捕状の男、集会で主張
2015.6.1 21:27
各地の寺社に油のような液体がまかれるなどした事件は、米国に住む日本国籍の
医師の男の逮捕状を千葉県警が取ったことで急転した。男は医師業の傍らキリスト教系を
標榜する布教活動にも従事し、各地で集会を開催。ネット上で公開されている集会の
動画では「東日本大震災は“日本の君(きみ)”の首の骨を折るための神の意思」
「呪われている寺社などを油を注いで清めた」などと話していた。
複数の動画で男が語っているところによると、東京出身で、17歳の時に韓国系牧師が
創立した都内の教会でキリスト教に出合い、神の命令に従い渡米して医学を研究。
産婦人科医として米国で働きつつ、布教活動にも従事してきたという。
平成25年7月に東京で開いたとする集会の動画では、東日本大震災で倒壊した鹿島神宮
(茨城県)の鳥居の写真を示し「震災は“日本の君”の首を折るために神が起こした」
などと主張。震災を機に日本で「呪われた場所を清める」活動を開始するよう神に
命じられたとした。100カ所以上の神社や城郭、ほこらなどを訪れ、「油を注いで清めた」
と説明。この活動は「誰も連れて行かないように神に命じられた」とし、1人でレンタカー
などを使って行っていたと話した。
「清める活動が終了し、“日本の君”を追い出すことに成功した」などとして25年、
布教などのために団体を設立。各地で集会を開き、社会で働きつつ神に奉仕する重要性を説いていた。
この男が創立した団体は東京都内の高層ビル内に事務所を設置。同団体関係者の女性は
産経新聞の取材に「逮捕状が出たと報道されているが、氏名が報じられたわけではなく
コメントはできない」と回答。その上で、「われわれはキリスト教徒が中心となった
集まりだが、宗教団体ではなく、会費もない」と説明した。
◇
キリスト教を研究する東京大の鶴岡賀雄(よしお)教授の話
「キリスト教の過去から現在を見渡しても、油でお清めをするという考え方は聞いたことがない。
水は聖なるものと捉えて洗礼で使うなどするし、油も儀式で使うことはある。
ただ、他の宗教を正すためや、敵対者を攻撃するため、油をまくことは普通は考えられない。
何か異様な感じがする。一般論からすると、こうした異様な行動を取る場合、キリスト教か
別の宗教かに関係なく『神がかり』的な状態の人が多い。分派した団体は、学者としても
細かな把握が難しい」
新潟青陵大学大学院の碓井真史教授(社会心理学)の話
「元々は頭が良く、正義感にあふれた真面目な人物なのではないか。そうした人が世の中などに
不満を感じながら行き詰まった時に、奇妙な教義に染まることがある。自分の中にある不満や
欲望を、神の名前を借りて行うという場合もある。オウムなど過去のカルト事件でも、教養が
高く真面目な人が危険な考え方に染まった。そこに行動力や財力が伴って、こういうことを
したのだろう。『油をお清めのため』にという考え方はあまり聞いたことがない」
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