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★[目から鱗の市民のつぶやき]ある日系ブラジル人の日本滞在記㊦「若者しっかりして」
2015年05月20日17時00分 常陽新聞
・コラム 目から鱗の土浦市民のつぶやき
平仮名、片仮名の読み書きは問題ないと語るアルマさんだが、漢字の習得には時間がかかったと言う。
外見も日本人だが、お子さんとのコミュニケーションはポルトガル語。
職場では、つい怒鳴られても意味が分からず、日系人のもどかしさが首をもたげる。
とっくに理解しているのが当たり前と信じてやまない日本人が少なくないだけに、人間関係も一進一退。
こうした苦労をものともせずに頑張ってきた33年、それでも生まれた国ブラジルより日本が好き。
そんなアルマさんにとって、これまでで一番つらかった思い出。
それはなんと、携帯電話が発達していなかった頃、ブラジルの家族の声が聴きたいと、
凍てつく真冬の夜、公衆電話で順番を待っていた時に胸をよぎった心細さ、切ない思いだという。
日本が好きな理由は、食べ物がおいしいことと、細やかに面倒を見てくれた人々の優しさが最大の理由だ。
逆境を跳ね返しながら生きて、精神的にずいぶん強くなったとアルマさんは振り返る。
「ブラジルに帰れ!」と言う仕打ちには、開き直ることも覚えた。
「自分がブラジルで生まれたのは、先の大戦を挟んだ混乱などしかるべき理由がある」
現在は、土浦市内の食品工場の下請け企業で頑張るアルマさんだが、
「仕事は、見よう見まねで覚えてきたが、学びと教えの連続」。
これまで、フォークリフト運転技能や溶接技能士の資格を取得したが、
今後は高所作業車や玉掛けの検定にも挑戦したいと意欲満々だ。
第2のふるさと、土浦の地で平和な暮らしを享受する今、幸せを実感しているアルマさんだが、
オリンピック開催が決まった割には一向に良くならない地方経済を思う時、今を生きる若者たちに
「しっかりしてほしい」と叱咤(しった)激励も。
また、急速な核家族化の進展で、行き場を失ったお年寄りを安易に介護施設に預ける
風潮もブラジル社会から見れば違和感を感じ、情けない思いが込み上げて来るそうだ。
二つの社会を駆け抜けてきたアルマさんならではの日本と日本人への警鐘かも知れない。
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