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★謝罪なし、海外演説で布石＝中国の反応瀬踏み－安倍首相・戦後７０年談話
安倍晋三首相は今夏に公表する戦後７０年談話で、第２次世界大戦への「謝罪」を避けるため、
自ら主導して布石を打ってきた。４月のインドネシアでのアジア・アフリカ会議（バンドン会議）や、
米議会での演説に対する国際社会の反応を踏まえ、謝罪を明言しなくても、外交的に大きな
ダメージは受けないと判断したとみられる。
談話をめぐっては、戦後５０年の村山富市首相談話、同６０年の小泉純一郎首相談話が言及した
「植民地支配と侵略」「おわび」の表現を盛り込むかどうかが焦点となっていた。
しかし、首相は４月下旬のＢＳ番組で、「同じことなら談話を出す必要がない」と表明。
首相はこの後、周辺に「中国がどう反応するか見ていた」と明かしている。
首相はこの直後にバンドン会議で行った演説で、「先の大戦の深い反省」に触れたが、
「おわび」には言及しなかった。それでも、現地で中国の習近平国家主席との首脳会談が
実現したことで、反省の表明にとどめても支障がないとの思いを強くしたようだ。
一方、いわゆる従軍慰安婦問題で強硬な韓国との間では、謝罪しただけでは関係改善が
期待できそうにないという事情がある。
首相は、米議会上下両院合同会議で行った演説でも、「痛切な反省」に言及。
「思いは歴代首相と変わらない」として歴代政権の歴史認識を継承する考えを示したが、
謝罪はしなかった。首相の靖国神社参拝には失望を表明した米政府からも「近隣諸国に共感を伝えた」
（バイデン副大統領）などと評価を得たことで、「反省以上、謝罪未満」が談話の基本線として固まった。
こうした流れを受け、７０年談話に関する有識者会議「２１世紀構想懇談会」の西室泰三座長も２２日、
謝罪は必要ないとの認識を表明。首相が一連の演説で対外的に形成した「相場観」を追認した。
ただ、中韓両国がなお、明確な謝罪を求めて圧力を強めるのは必至。
日韓関係の停滞を憂慮する米国など国際社会の動向次第では、再考を迫られる可能性も否定できない。
（2015/05/23-00:36）
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