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★拉致問題で誠意ある回答のない北朝鮮を恫喝!? 朝鮮総連トップ次男逮捕の裏側
2015年05月14日(木) 伊藤博敏
「これで安倍(晋三)政権の間に、拉致被害者が帰国することはないだろう」
朝鮮総連トップ、許宗萬議長の次男逮捕を受けて、総連関係者がこう断言した。
■北朝鮮政府も抗議
複雑な歴史的背景を抱え、どんでん返しが相次ぐ日朝関係は、先行きの予想がつかないものの、
現段階で、息子を逮捕された許議長が、激しい怒りを燃やしているのは想像に難くない。
また、北朝鮮政府も最近は総連との一体化をアピールしており、次男・許政道逮捕に
つながった一連の「マツタケ不正輸入事件」の捜査に対し、抗議を続けている。
拉致被害者らの総括的な調査を約束した「ストックホルム合意」から約1年が経過したが、
今回の事件で、両国の関係が、当面、冷え込むのは避けられまい。
事件構図はシンプルであり、容易に想像できる範囲のものだった。
2010年9月27日、北朝鮮産のマツタケ約1800キロ(輸入申告価格約450万円)を中国産と偽り、
中国経由で不正に輸入したというもの。
産地を偽装して北朝鮮産を輸入する外為法違反事件は、過去に何度も繰り返され、
マツタケの他、アサリ、ウニ、漢方薬など枚挙にいとまない。
日本政府は、北朝鮮が核実験を行なったのを機に、06年以降、北朝鮮からのマツタケ輸入を全面禁止。
重要な“稼ぎの品”を失った朝鮮総連は、傘下の貿易会社「朝鮮特産物販売」が、
ダミーを使って中国経由で輸入した。許政道容疑者は、それを主導したという。
問題は、「なぜ今なのか」である。
■総連本部ビル問題では「寛容」だったが・・・
逮捕容疑は5年近く前の不正輸入で、しかも家宅捜索は昨年5月、大掛かりに行われ、許政道容疑者の
自宅も含まれていた。その際、マツタケの仕入れに関し、同容疑者が記録していたノートも押収されていた。
菅義偉官房長官は、事件後、「警察は、法と証拠に基づいて捜査している。
わが国は法治国家で自然なことだ」と、述べている。
外為法違反の容疑があり、証拠もあるのだから捜査は自然だが、時期は自然ではない。
明らかに北朝鮮政府の“出方”を見ていた。象徴が、総連中央本部ビルの売却で日本政府が示した
“寛容”との落差である。
今年1月28日、総連ビルを約22億円で落札した四国の不動産会社「マルナカホールディングス(マルナカHD)」が、
山形県の倉庫業「グリーンフォーリスト(グ社)」に、約44億円で売却した。
売買は難航した。
マルナカHDは純投資だから高値で売却したい。だが、総連は「事実上の大使館」である総連ビルを離れたくはない。
そこで登場したのが、マルナカHDとも総連の許宗萬議長とも親しい山内俊夫元参院議員である。
不動産業者でもある山内氏は、もともと総連にパイプがあり、総連の継続使用を認めるグ社をマルナカHDの売却先とした。
「総連ビルは、拉致問題を含めた日朝交渉における“喉に刺さったトゲ”のようなもの。
それを抜き、一日でも早く交渉が進展するように協力したかった」
山内氏は、仲介業者となった理由をこう説明した。
グ社がダミーであるのは、所有権移転と同時に、総連系企業の白山出版会館管理会が、
50億円の根抵当権を設定しているのでも明らかだ。
朝銀信用組合の破綻が相次ぎ、政府は1兆4000億円の公的資金を投入して処理。
そのうちの627億円分が総連融資分とされたが、総連は返済せず、競売となった経緯がある。
本来、ダミー使用の“居座り”は許されない。だが、政府は黙認した。許宗萬議長と情報を共有、
金正恩第一書記も望む「継続使用」を認めたのである。
理由は拉致問題の解決。ストックホルム合意は進展せず、日本にとって副次的な日本人妻や遺骨問題を優先、
拉致問題の調査報告は先延ばしされていた。その打開策として、「継続使用」という塩を贈った。
私は、グ社への売却が決まった際、本ブログに「朝鮮総連ビルをマルナカHDから44億円で購入、
元都銀マンの会社が『総連の大家』に」(URLリンク(gendai.ismedia.jp))と、
題する記事を掲載。最後をこう締めくくった。
「今度は、北朝鮮(総連)が、拉致被害者などの帰国問題で、最大限の配慮をする番だ」 >>2へ続く
URLリンク(gendai.ismedia.jp)