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★フェリー会社ではなく政権にデモ セウォル号遺族の“理解不能”
2015年4月23日 9時0分 東スポWeb
韓国の李完九首相（６４）が、南米歴訪中の朴槿恵大統領（６３）に辞意を伝えた。
自身の裏金疑惑が理由で、朴氏が２７日の帰国後に辞任を認めるとみられる。
韓国では昨年４月のセウォル号沈没事故への対応失敗の責任を取り、当時の首相が引責辞任を
表明した後、後任に指名された首相候補が過去の言動などが問題視されて２人続けて就任できず、
今年２月にようやく李氏が就任したばかりだった。
政権へのさらなる打撃はセウォル号沈没事故の犠牲者遺族たちのデモだ。遺族や支援団体が
１８日にデモを起こした際、機動隊と衝突。少なくとも遺族約２０人とデモ参加者約７０人の
計約９０人が負傷した。警察は遺族を含む１００人を連行した。
事故の責任はフェリー会社にあるはずだが、遺族の怒りは政権に対するデモという形になった。
「韓国呪術と反日」などの著作がある文筆人の但馬オサム氏はこう語る。
「昨年５月、朴大統領はセウォル号遺族と国民に対して涙の謝罪会見を行いました。
韓国社会では一度でも謝罪すると道徳的下位に置かれ、未来永劫、謝罪を強要されるのです。
謝罪会見を行った時点で、この問題における最大の悪役は、フェリー会社から朴政権に移ってしまいました」
その“加害者”の朴大統領は、セウォル号沈没から１年の１６日に現場近くを訪れたが、
反発する遺族に会うことができず、公式な謝罪もなく南米歴訪の旅に出てしまった。
これが“被害者”とそれに同調する国民たちの怒りに火をつけた。日ごろ朴政権の失政に
対する不満もあいまって暴動へと発展した。
「集会に集まった民衆の脳裏に、一番の責任者であるフェリー会社の経営者はかけらもありません。
そればかりか、違法改造、過積載で事故の元凶となった忌まわしい思い出のセウォル号が、
まるでキリストの十字架のような受難のシンボル、聖なる存在になっている。
民衆に持たせたローソク４０００本でセウォル号を作ってギネス申請しようとか、
セウォル号をかたどったぼんぼりを掲げたりがいい例です。もはや手段も目的も倒錯しています」
と但馬氏は指摘する。
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