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★寺社の液体被害９府県３３か所 福井・永平寺にも
2015年4月16日22時20分 スポーツ報知
京都や奈良など各地の寺や神社で油のような液体がまかれているのが見つかった事件で、
被害は長谷寺（奈良県桜井市）と岡寺（同県明日香村）で４日に確認されたのを皮切りに
９府県３３か所に及んでいることが１６日、警察庁のまとめで分かった。
金高雅仁長官が国家公安委員会後の記者会見で明らかにした。集計は１５日現在。
最も多いのは奈良県で、世界遺産の東大寺など１９か所。京都府が二条城など４カ所、
千葉県が成田山新勝寺など３か所と続く。京都市南区の東寺や香川県琴平町の金刀比羅宮など、
複数箇所の被害が確認されたケースもあった。
同庁は１０日付で全国の警察にパトロールの強化や発生した場合の初動捜査の徹底を指示した。
各府県警は文化財保護法違反や器物損壊容疑で捜査しており、防犯カメラの画像解析や
液体の鑑定などを進めている。
これまでに奈良県で被害を受けた１９か所のうち、長谷寺など８寺社で採取した液体は
同種の可能性が高く、県警は同一犯とみて調べている。
金高長官は「貴重な文化財の価値を損なう悪質な事件。関係機関と連携し、続発防止に努めたい」と話した。
一方、これらとは別に、福井署は１６日、福井県永平寺町の曹洞宗大本山永平寺で、
宝物庫出入り口の木製扉に液体がまかれた跡が見つかったと明らかにした。建造物損壊容疑で捜査している。
永平寺によると、油のようだったといい、３月中旬にも同様の跡を確認し福井署に通報していた。
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★永平寺瑠璃聖寶閣に液体、憤る声 中央の扉にＸ字状にまかれる （2015年4月17日午前7時15分）
１６日午後４時１５分ごろ、福井県永平寺町志比の曹洞宗大本山永平寺から
「建物に油のようなものがまかれている」と１１０番通報があった。
福井署は、寺の正門に近い瑠璃聖寶閣（るりしょうぼうかく）の木製扉に高さ、
幅とも数メートルにわたって油のような液体がまかれた跡があるのを確認した。
同様の被害は東大寺（奈良県）など全国の寺社で相次いでおり、
福井県警は模倣犯による悪質ないたずらの可能性も含め、建造物損壊の疑いで捜査を始めた。
県警によると、県内で被害を確認したのは初めて。
瑠璃聖寶閣は建物自体に文化財指定はないが、国宝を含む寺の宝物を展示・収蔵している。
同署によると、液体は建物南側に３組ある観音開きの扉（１組が縦３メートル、横２メートル）
の３組全てで確認された。放物線を描くように飛び散り、中央の扉はＸ字状にまかれていた。
ペットボトルなどの容器に入れて勢いを付けてまいたように見えるという。無色でにおいはないらしい。
永平寺では同日午後３時の時点で液体がないことを確認しており、同４時ごろまでの間にまかれたとみられる。
瑠璃聖寶閣は永平寺の入り口付近にあり、油のような液体がまかれていた木製の扉には、
参道から階段を使って誰でも近づくことができる。
永平寺によると、寺の行事を控えて従業員が瑠璃聖寶閣に幕を張る作業をしていた。
午後３時ごろ、休憩を取ろうとしたときには液体の跡はなく、再び訪れた同４時ごろに発見した。
この日、同３時以降は参拝者が少なくなったといい、従業員が現場を離れて人気がなくなった
時間を見計らって犯行に及んだと考えられる。
一方、永平寺入り口の参道沿いにあり、人目につきやすい建物を狙うという大胆な面もうかがえる。
液体に臭いはなく、液体が確認されているのは現在１カ所だけという。
境内の数カ所に防犯カメラが設置されているが、瑠璃聖寶閣にはなく、同寺は今後増設する予定だという。
同寺の関係者は「あちこちで（事件が）起きていて、まねをしたのではないか」
「いたずらだったらいい迷惑だ」と憤った。門前で飲食店を営む女性は「まさかここでも起きるとは。
もし液体が油で火がついたら大変。全国から修行に来ている人たちに水を差すようなことはやめてほしい」と話していた。
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油のような液体がまかれた木製扉＝１６日午後６時２０分ごろ、福井県永平寺町の曹洞宗大本山永平寺
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