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★【突破する日本】米軍基地は沖縄&東アジアの「抑止力」 フィリピンの教訓を忘れるな
2015.04.11
テレビ朝日系「報道ステーション」が軌道修正したと述べてきたが、限定的だったようだ。さすがに、
「I am not Abe」を公言する人物は見なくなった。ただ、8日には米軍普天間飛行場の
移転先をめぐって政府と対立している沖縄県の翁長雄志知事について、「知事こそ保守政治家」
と大学准教授にコメントさせている。保守政治家を自任する安倍晋三首相をあてこすったものだろう。
前回、多くの歴史教科書がいまなお、マルクス主義の階級闘争史観に基づいて、
日本の歴史を「支配する者」と「支配される者」との対立抗争の歴史として描いていることを紹介した。
その発展だが、中学の公民教科書では「本土+米軍」対「沖縄」の対立とする記述が目立つ。
沖縄を本土や米軍にいじめられている「弱者」として描くものだ。「辺野古の海を守れ」として、
公然と移設を妨害している翁長知事にも同じような感覚がうかがえる。
地上戦の惨劇の歴史を忘れてはならないが、沖縄の米軍基地は迷惑施設ではない。
東アジアの安全保障上、重要な役割を果たしているのはもちろん、米軍は沖縄をも守っていることを
見落としてはならない。米軍は日本、そして沖縄自体が近隣国からの侵攻を受けないための
「抑止力」としての機能を持っている。
「力と力がぶつかって生じた均衡が平和をもたらす」というのがリアリズムの安全保障の考え方だが、
軍事台頭する中国の力を抑止し、沖縄に平和をもたらしているのが米軍なのだ。米軍基地を追い出した
後に中国の軍事的脅威を受けるようになった、フィリピンの教訓を忘れてはならない。
翁長知事らの姿勢はすでに決着した問題を蒸し返すもので、何より沖縄、そして東アジア全体の
抑止力を弱め、中国を利している。そんな知事が「保守政治家」であるはずがない。
今年は戦後70年。政府は現在、談話の作成に取り組んでいる。
天皇、皇后両陛下は9日、先の大戦の激戦地パラオ共和国ペリリュー島を訪問し、すべての戦没者を追悼された。
天皇陛下はご出発前に「本年は戦後70年に当たります。先の戦争では、太平洋の各地においても
激しい戦闘が行われ、数知れぬ人命が失われました。祖国を守るべく戦地に赴き、帰らぬ身となっ
た人々のことが深くしのばれます。私どもはこの節目に当たり、戦陣に倒れた幾多の人々の上を
思いつつ、パラオ共和国を訪問いたします」と述べられた。
ここには、「侵略」や父祖を貶める言葉はない。意を尽くされた内容で、政府も参考にすべきだ。
心静かに往時をしのびたい。 =おわり
■八木秀次(やぎ・ひでつぐ) 1962年、広島県生まれ。早大法学部卒業。同大学院政治学
研究科博士課程中退。国家、教育、歴史などについて保守主義の立場から幅広い言論活動を展開。
第2回正論新風賞受賞。現在、麗澤大学教授、安倍内閣が設置した教育再生実行会議委員、
フジテレビジョン番組審議委員、日本教育再生機構理事長。著書に『国民の思想』(産経新聞社)、
『憲法改正がなぜ必要か』(PHPパブリッシング)など多数。
URLリンク(www.zakzak.co.jp)