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★「クロ現」やらせ疑惑で、NHKが中間報告公表(全文)
2015.04.09 10:47
NHKの報道番組「クローズアップ現代」で、いわゆる「やらせ」が指摘された問題で、
同局は9日、調査委員会の中間報告を公表した。取材・制作を担当した職員11人と
外部スタッフ3人から聞き取りをしたり、インタビュー素材や取材メモ等の資料を
調べたりして事実関係をまとめた内容で、関係者の話が食い違う点などについては、
「さらに事実関係を明らかにするための調査を進める」としている。全文は次のとおり。
「クローズアップ現代」報道に関する中間報告本委員会は、平成26年5月14日に放送した
「クローズアップ現代追跡“出家詐欺”~狙われる宗教法人~」(以下、「クロ現」)
に対して、いわゆる「やらせ」があったとの指摘を受けて設置された。調査チームから
報告のあった、現時点での調査の状況と検証のポイントを公表する。
1)調査の概要
・当該「クロ現」は、多重債務者を出家させて名前を変えさせ、金融機関から多額の
住宅ローンを騙し取る「出家詐欺」の実態と背景に迫り、その対策を探ったものである。
・調査では、「クロ現」、および「クロ現」に先立って4月25日に関西ローカルで放送した
「かんさい熱視線追跡“出家詐欺”~狙われる宗教法人~」(以下、「熱視線」)について、
取材・制作を担当した職員11人と外部スタッフ3人から聞き取りを行い、インタビュー素材や
取材メモ等の資料を調べた。
・また、番組で「出家を斡旋するブローカー」と紹介した男性(以下、A氏)や「多重債務者」
と紹介した男性(以下、B氏)など、外部の3人からも聞き取りを行った。A氏からの聞き取りは、
双方の弁護士立ち会いの下で実施した。
・なお、上記の2番組に関し、A氏の代理人弁護士より、「記者の指示によるいわゆる『やらせ』
があり、A氏がブローカーとして放送された」として、放送での訂正を求める「申入書」が提出されている。
2)取材から撮影までの経緯
・番組は、26年2月、大阪放送局と京都放送局の取材チームが、大津市の寺を舞台とした
「出家詐欺」事件を取材するなかで、企画・提案された。
・このうち大阪放送局の記者が、関係者取材を進めていたところ、知人で多重債務者であるB氏より、
「『出家する方法』について、近くA氏に相談に行く」と聞かされた。
・B氏によれば、以前A氏から、袈裟を着て首から数珠を下げたA氏本人の写真を見せられ、
「出家」を誘われたことがあったという。
・これを聞いた記者は、B氏がA氏に相談する場面を撮影できないかと考え、B氏を通じて打診
したところ、B氏から「A氏の了解が得られた」との連絡があった。
・4月19日、大阪市内のビルの一室で、まずB氏がA氏に相談する場面、続いてA氏のインタビュー、
B氏のインタビューの順で撮影が行われた。
3)記者とB氏およびA氏との関係
・記者によれば、B氏とは8、9年前に知り合ったという。B氏が事業に失敗して多額の負債を
抱えるようになった後も「事情通」として付き合いを続けていた。
・記者は、25年10月頃、B氏から「寺関係の事情に詳しい人物」としてA氏を紹介された。
・その後、記者は、番組の撮影当日までA氏に会っておらず、連絡もとっていない。
撮影の打診などのやりとりはすべてB氏を通じて行ったという。
4)検証のポイント
●記者は演技を依頼したか
・撮影当日の4月19日午後、記者はB氏とともにタクシーでA氏を自宅まで迎えに行き、
大阪市内のホテルのカフェに立ち寄って15分ほど打ち合わせをした。
・A氏によれば、この場で記者から、「A氏がブローカー役を、B氏が多重債務者役を演じるよう依頼された」という。
・一方、記者は、撮影の事前説明として、音声を変えて映像も加工することなどを説明したもので、
「演技の依頼はしていない」と一貫して否定している。
・また、B氏も「記者が演技を依頼したことはない」と話している。
・A氏の話と、記者及びB氏の話は大きく食い違っている。 >>2へ続く
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