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★【千葉】慰安婦「強制の根拠崩れた」 習志野市議会も意見書
2015年3月20日
習志野市議会は十九日、従軍慰安婦問題に関し、政府に適切な対応を求める意見書を
賛成多数で可決した。朝日新聞が昨年夏、慰安婦報道の一部を取り消したことなどから
「強制連行の根拠が崩れた」とし、国民や国際社会に「正しい歴史認識」を周知・発信
することを求めている。我孫子市議会もこの日、同趣旨の意見書を可決した。
昨年十二月には県議会や船橋市議会も可決。安倍晋三首相が今夏に発表する
戦後七十年談話への影響を心配する声も出ている。 (服部利崇)
習志野市議会が可決した意見書は、旧日本軍が慰安婦を強制連行したとする故吉田清治氏の
証言を朝日新聞が虚偽と判断し、記事の一部を取り消したことに加え、一九九三年の
河野洋平官房長官談話に対する政府検証で「強制連行の根拠が崩れた」と主張。
「国内外において不当におとしめられた日本の名誉と信頼を早急に回復する」
必要性を指摘した。
その上で「客観的事実に基づく正しい歴史認識を国際社会に向けて多言語で積極的に発信する」
「国内外の教科書が史実に基づき正確に記述されるよう対応する」ことを求めている。
市議会総務委員会(七人)は九日、市民からの同趣旨の陳情を採択。保守系議員が十九日、
意見書案として本会議に議員提案した。定数三〇のうち議長を除く二十九人で採決した結果、
十五人が賛成し可決した。
本会議では反対意見も相次いだ。女性市議は「女性が強制的に兵士の性の相手をさせられた。
この事実は『強制連行』があったかなかったかという違いでは免罪されない」と批判。
男性市議は「吉田証言が虚偽だから、慰安婦問題がなかったかのような論理展開は事実に反する」
と指摘した。津田沼九条の会世話人の穴山孝さん(72)は「こうした地方議会の動きを
安倍政権が利用し、河野談話を無視した内容の七十年談話を出すのではないか」と懸念している。
◇70年談話に影響も
モンタナ州立大社会学・人類学部の山口智美准教授(文化人類学)の話
複数の議会が意見書を可決した背景には、朝日新聞攻撃に絡めて慰安婦問題そのものを
攻撃したい右派勢力の意向が強く反映されている。この動きは今後も全国で強まるのではないか。
安倍首相が今夏に発表する戦後七十年談話への悪影響も懸念される。意見書の中身が「国民の声」
「草の根の意見」として談話に反映される可能性があるからだ。意見書が国内外の教科書の内容や、
日本の外務省の外交姿勢に圧力をかけている点も心配だ。
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