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★中国提唱の投資銀行 「多くの支持得ている」
3月18日 22時41分
中国が設立を提唱するアジアインフラ投資銀行に、Ｇ７＝先進７か国の間で参加の動きが
広がっていることについて、中国外務省は「多くの国の支持を得ている」と述べて国際的な
支持が拡大していると強調しました。
中国が設立を提唱するＡＩＩＢ＝アジアインフラ投資銀行には、イギリスに続いてフランス、
ドイツ、イタリアが１７日、参加を表明し、Ｇ７＝先進７か国で参加の動きが広がっています。
これについて中国外務省の洪磊報道官は１８日の記者会見で、「多くの国の支持を得ていて、
この銀行には活力があることを証明している」と述べて、アジアインフラ投資銀行はすでに
信用力を高めつつあり、国際的な支持が拡大していると強調しました。
そのうえで、銀行の具体的な枠組み作りに加われるとする今月末の期限に向けて
「参加を望む国が期限より前に決断することを望んでいる」と述べて、態度を決めていない
国に対し改めて参加を呼びかけました。
一方、銀行の組織運営が明確になっていないなどとして、日本が参加に慎重な姿勢を示して
いることや、韓国が参加するかどうか正式に表明していないことを踏まえて、洪報道官は、
今週２１日に韓国ソウルで行われる日中韓の外相会議では「アジアインフラ投資銀行に
関する議論も排除しない」と述べて、議題として取り上げたいという考えを示しました。
・ＡＩＩＢとは
ＡＩＩＢ＝アジアインフラ投資銀行は、アジアの発展途上国のインフラ整備を支援するとして、
中国が設立を提唱する新しい国際金融機関です。
去年１０月、東南アジアや中東の２１か国の代表が北京に集まって、設立に向けた覚書を交わしました。
資本金は１０００億ドル（日本円で１２兆円余り）。加盟国の出資比率はＧＤＰ＝国内総生産に
応じて決められ、中国は５０％までを拠出できるとしていて、アメリカが参加しなければ、
世界第２の経済規模を持つ中国の出資比率が最も大きくなるとみられます。
また、本部は北京に置く計画で、トップの総裁や最高意思決定機関として設置される理事会の
メンバーなどは、公開で透明性を確保した方法で選出するとしています。
アジアインフラ投資銀行は、主にアジアの発展途上国の鉄道や高速道路、それに港湾整備などの
インフラへの投資や融資を行うことになるとみられています。
・中国のねらいは
中国がアジアインフラ投資銀行の設立を提唱する背景には、大きく２つのねらいがあるとみられます。
その１つは「国際的な発言権の拡大」です。中国は経済規模では世界第２位になりましたが、
ＩＭＦ＝国際通貨基金や世界銀行など、アメリカが主導する既存の国際金融機関の中では発言権が
思うように拡大しないことに不満を強めているとされます。
習近平指導部は国際社会における中国の影響力をより強めようと、金融や貿易、安全保障などの
分野でみずからが主導する新しい国際的な枠組みを作ることに力を入れています。
なかでも「アジアの経済成長に必要なインフラ建設の資金を提供する」としているアジアインフラ
投資銀行は、各国からの賛同を得やすいとみていて、その設立は発言権の拡大に向けた重要な
取り組みの１つに位置づけられています。
もう１つは、「経済成長の後押し」です。中国経済は、不動産投資の伸び悩みを背景に企業の
生産活動など内需が振るわず景気が減速しています。しかし、成長の速度よりも質を重視する
「新常態＝ニューノーマル」という成長モデルへの転換を掲げた中国政府としては、
公共事業をばらまいて景気を刺激する政策をとるのは難しいのが現状です。
こうしたなか、アジアインフラ投資銀行を通じてアジア各国での鉄道建設などのインフラ事業を
進めることで中国企業の輸出を後押しして、経済成長を図るねらいもあるとみられます。
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