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★勉強も反省も足りない日独のメディア メルケル首相来日をダシにした我田引水の報道合戦
2015.03.18(水) 川口マーン 惠美
3月9日、ドイツのメルケル首相が日本を訪れた。メルケル氏は2005年の首相就任以来、
ほとんど毎年のように中国まで来ていながら、日本はなんと7年ぶりだ。ZDF(第2ドイツテレビ)の
オンラインニュースはそれを、「体面にこだわる日本人」は快く思っていないと書いている。
・自国の事情を棚に上げ安倍首相を批判する独メディア
「世界第3位の経済大国は、メルケルの中国重視のせいで、自分たちが相手にされていないと感じている」、
「保守系の日経新聞が、メルケルの訪日がドイツのアジア政策に均衡をもたらすために役立つだろう
と書いたのは、少しすねた警告のように響く」のだそうだ。
ドイツは中国重視のアジア政策を修正するつもりなどないとZDFは言いたいのだろうか。
なお、日経が保守系の新聞だとは、私はあまり感じない。
続けて読むと、日本とドイツの協力に関しては難しい問題がたくさんあるとされる。
たとえば、ドイツは福島第一の事故のあと脱原発に舵を切ったが、
「徹頭徹尾の原発ファンであるアベ」は、止まっている脱原発を再稼働させようとしている。
「フクシマによってメルケルが脱原発を決定したことは、アベにとってはおそらく感傷的な
弱さの印でしかないのだろう」というのが、この記者の分析。安倍首相が原発を再稼働させる
のは原発が好きだからというのは、あまりにもバカげた話だ。
この記者は、日本の緊迫したエネルギー事情をまるで知らないか、知らない振りをしているか、
安倍首相をバカにしたいかのどれかだろう。
ドイツではまだ半分以上の原発が動いている。しかも、再エネが増えすぎて、様々な支障が出ている。
だいたい、脱原発がそんなに喜ばしいものなら、日本ではなく、まずお隣のフランスに勧めてはどうか。
フランスは電力の80%近くを原子力に頼っている国だ。
なお、エネルギー政策だけでなく、経済政策でも、ドイツと日本は方針が合わないという。
「アベノミクスは、何十億も掛かる景気向上プログラムで、多額の資金を市場に放出して、
麻痺してしまった経済政策を活性化する試みであった。そこでは構造改革も同時に為されなければ
ならないが、アベはそれをまだ始めない」。つまり、アベノミクスは、ドイツの緊縮政策とは
正反対だというのがこの記者の主張。
ZDFだけでなく、ドイツのメディアは安倍内閣が嫌いなようで、安倍首相攻撃は激しい。
一昨年、アベノミクスの一環として日銀が金融緩和に着手したときも、ひどい非難の記事が出回った。
しかし、EUでは今月9日から、前代未聞のQE(量的金融緩和政策)に着手している。
これから1年半にわたって、1兆1400億ユーロの国債を買うのだそうだ。
日本がすれば、“だらしのない金融政策”、“紙幣の印刷機フル回転”となるが、
自分たちがデフレ阻止のために莫大な金額を市場に放出するのは、まるで問題がないようだ。
・外国メディアの興味は過去の真実より自国の利益
今回、メルケル首相は安倍首相に会う前に、朝日新聞主催で講演会をした。
ZDFは書く。「メルケル首相はまずアベの批判者を訪問、そのあとでアベ」。
アベの批判者というのは、もちろん朝日新聞のことだ。「世界で一番大きな新聞の1つで、
政治的スタンスは中道左派」というのが、朝日新聞の説明。このおぜん立てをしたのはいったい誰だろう?
この講演会の内容は、ドイツ大使館のホームページに全文が載っている。メルケル首相は
朝日新聞の伝統を褒め称え、その社史は、ドイツと日本の国交が始まったころにまで遡れると言っている。
また、142年前のこの日は、岩倉具視の外交団がベルリンに到着した日だったそうだ。
メルケル氏は、そのあと、あらゆる重要テーマをさらっとこなし、最後にまた岩倉具視に戻って、
優等生のスピーチを終えた。
とはいえ、日本の慰安婦問題などには一切触れていない。ドイツの戦時中の行為への反省を述べ、
それにもかかわらず戦後、かつての多くの敵国から和解の手を差し伸べてもらえたと語っているのだ。 >>2へ続く
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