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★政党対決どこへ…漂う「しらけ」 福岡知事選
2015.3.17 07:05
統一地方選で実施される全国10道県知事選が26日、告示される。福岡県知事選は、
自民、民主など5党が推薦する現職の小川洋知事(65)に、弁護士で新人の後藤富和氏
(46)=共産支持=が挑む一騎打ちの構図になりそうだ。政党対決色が極めて薄い
与野党相乗り選挙に、しらけムードが漂い、小川陣営からは「すでに当選確実」との声が漏れる。(田中一世)
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「集団的自衛権などの問題で、なぜ(反対だと)騒がないのか。国に言いなりの
官僚のような県知事はまっぴらごめんです」
後藤氏は今月10日、福岡市内での「励ます会」で、集まった弁護士仲間らを前に、
小川氏を痛烈に批判した。後藤氏は原発の運転停止や、朝鮮学校の無償化を求める訴訟の弁護団を務める。
政党に推薦・支持を求めることはしないが、共産党は主張が近いことを理由に、「推薦」より弱い「支持」を申し出た。
だが、後藤氏に対する支援の動きは広がりに欠ける。後藤氏は「小川知事は安倍政権の追随」
としきりに口にするが、中央政界で安倍政権批判を展開する民主党や社民党も、小川氏推薦に回ったからだ。
さらに、安倍政権そのものの支持率も安定している。フジニュースネットワーク(FNN)が
2月下旬に実施した世論調査によると、内閣支持率は1カ月前から1・4%増えて52・8%と
高水準だ。開会中の通常国会では、民主党などは「政治とカネ」の問題を追及するが、
政権を追い詰めるほどのインパクトはない。
励ます会への参加は、告示直前にもかかわらず、100人以上という目標を下回る40人程度に終わった。
後藤氏の支援団体代表の馬奈木昭雄弁護士はあいさつで「本当はもっと多く集まっていただきたかった」と漏らした。
現時点で、後藤氏の主張が小川氏を上回る得票に結びつくとは考えにくい。小川氏を推薦する各党は楽観ムードだ。
自民党福岡県連に所属する県議は「選挙は何があるかわからないとはいえ今回、負けることはない。
(同時期に行われる)自分の選挙を頑張りたい」と語る。
小川氏は4年前の前回知事選で、自民、民主、公明、社民、国民新(当時)の支援を受けて出馬し、
共産党推薦候補との一騎打ちを制した。得票率は7割に達した。今回も5党の支援を取り付けたほか、
前回に続き地元経済界や麻生太郎副総理兼財務相(衆院福岡8区)らのバックアップを受け、死角はない。
選挙戦では景気・雇用対策や、水素エネルギーなど新たな産業振興を訴える。
小川氏への相乗り態勢は、昨年末にほぼ固まっていた。小川氏は1期目の4年間、議会との良好な
関係作りに腐心した。「あんなにやりやすい知事はいない」と話す自民県議もいる。
民主党も「県議会では自民と民主は連立与党だ」(県連幹部)といい、対抗馬を立てる動きさえ、起きなかった。
原発再稼働や集団的自衛権行使に反対する社民党福岡県連には、支援者から「なぜ後藤氏を応援しないのか」
との声も寄せられる。だが、関係が近い県職員労働組合などが小川氏推薦を決めていることもあり、推薦を決めたという。
ただ、政党の足腰である地方組織は真剣勝負でこそ鍛えられる。
平成18年に民主党代表に就任した小沢一郎氏は、都道府県知事・政令指定都市長選での
原則相乗り禁止の方針を打ち出した。
自民党も25年、当時の石破茂幹事長が「相乗りは力が出るより、力が分散してしまうことを
認識しなければいけない。衆院、参院に勝たせていただいたが、統一地方選に勝って初めて盤石となる」と強調した。
だが、国政選挙で惨敗続きの民主党が独自候補を擁立する力をなくしたこともあり、
「相乗り」からの決別は進まない。これが地方選挙が盛り上がらない一因となっている。
「今は知事の仕事ばかりですが、選挙まであまり時間がないので、公約などを検討しているところです」
今月3日の定例記者会見で、「準備状況と心境」を問われた小川氏の答えは味気なかった。
1期目最後となった10日の記者会見は、報道陣から選挙に関する質問は出ず、全体でわずか15分ほどで終了した。
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◇福岡県知事選立候補予定者
小川 洋65 知事・元内閣広報官 無現 【自】【民】【維】【公】【社】
後藤富和46 弁護士 無新 【共】
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