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★【世界を読む】日本の美しさ羨む？…在米韓国団体が自国出身の「国連事務総長」冠した庭園を目指す理由
2015.3.17 11:00
仙台市で開かれた国連防災世界会議に出席した国連の潘基文（パン・ギムン）事務総長の名を冠した
「韓国庭園」建設運動が米シカゴで起きているという。在米韓国団体が主導しているが、
関係者の発言からは、世界的に評価が高い日本庭園を羨望（せんぼう）の眼差（まなざ）
しで見ている様子も見え隠れする。
・「日本庭園に胸を痛めていた」
韓国紙、朝鮮日報（電子版）によると、「シカゴ韓国庭園クラブ」（イ・グンム会長）は
２月４日、シカゴ植物園で理事会を開き、同園での韓国庭園プロジェクトに潘基文国連
事務総長の名前を冠することを決めた。
同紙は韓国の通信社ニューシスによるイ会長のインタビューを掲載。それによると、
イ会長は「（毎年１００万人以上が訪れるシカゴ植物園には）立派な日本庭園があるが、
韓国のことについて知ってもらうためのテーマガーデンはないため、いつも残念に思っていた」
と述べた上で、こう語っている。
「日本庭園では、ツツジをはじめ韓民族のアイデンティティーを物語る花や木々までが、
まるで日本の植物であるかのように造園されているのを見て、胸を痛めていた」
愛国心はわからないわけではない。朝鮮日報によれば、日本庭園は世界各地に約５００カ所、
中国庭園も約７０カ所あるが、韓国の庭園は約１０カ所に過ぎないのが実情だという。
おそらく同クラブは今後、植物園側にプロジェクトの実現を働きかけていく過程で、
韓国お得意のロビー活動を全米各地で展開していくに違いない。
・「潘基文」の“冠”は早急なのでは
「韓民族のアイデンティティー」という表現を持ち出し、日本の文化を何でも「韓国起源」
にしてしまうのは、お得意のやり方だ。これまでにも剣道や柔道、空手、華道などのほか、
日本アニメなども「韓国起源」と称している。
ただ、今回の場合、そうしたお得意のやり方の背景にある、日本文化への羨望の眼差しが見て取れる。
世界的な高い評価に“対抗”するために、世界で最も有名な韓国人・潘氏の名前を持ちだしたわけだ。
実際、シカゴ韓国庭園クラブのイ会長は「潘氏のように世界的に有名な韓国人の名を付けて
韓国庭園に焦点を当て、米国の主流社会や世界の人々の注目を集めようという考えだ」と説明しているという。
もっとも、２００７年から２期連続で国連事務総長を務めている潘氏だが、評判は芳しくない。
地球環境をめぐって気候変動問題に積極的に取り組む姿勢などは評価されるが、
中東などにおける紛争解決への指導力不足が指摘されている。
また、潘氏は昨秋の国連総会の際、各国首脳を国連本部で迎える一方、母国・韓国の朴槿恵
（パク・クネ）大統領をマンハッタンにある事務総長公邸に特別招待していたという。
こうした「自国（韓国）優先」の姿勢への批判も多い。
その名前を冠する庭園などをつくるのは早急ともいえる。
・年賀状も北得意の奇襲外交
ところで、潘氏をめぐっては、その名前を“頼み”にする人が北朝鮮にいる。金正恩第１書記である。
ＡＰ通信は２月６日、国連駐在北朝鮮代表部のキム・ソン外交官の発言として「潘基文国連事務総長
から送られた年賀状への答礼として、金正恩・朝鮮労働党第１書記が潘事務総長に年賀状を送った」と報じた。
そもそも潘氏が正恩氏に年賀状を出すこと自体が理解できないのだが、ＡＰは「金正恩氏からの
年賀状を単なる新年のあいさつとしてのみ受け取られるということはないだろう」としたうえで、
「人々を驚かす年賀状の交換だ」とも指摘している。
ただ、折しも国連安全保障理事会が北朝鮮の人権問題を議題とし、昨年１２月には国連総会で
正恩氏をＩＣＣに提訴するよう求める北朝鮮人権決議案が採択されたばかり。
年賀状には、これを踏まえ、関係をつなごうとする意図がみえる。
潘氏の名前の威力のほどは不明だ。ただ、「潘基文」の名前を利用する側には、
それぞれの“思惑”しかないことだけはわかる。つまり、世界の人々から高い評価を受け、
羨望の眼差しを受けられるかは微妙だ。
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