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★【視線】「慰安婦=性奴隷」米教科書問題 歴史修正主義的立場からの反論 ロサンゼルス支局長・中村将
2015.3.16 10:30
終戦から70年の節目が近づくにつれ、米国における中韓の反日プロパガンダが勢いを増してきた。
日本側が反論を試みようものなら、中韓側は「歴史修正主義(者)」という言葉で、封じ込めようとする。
米国の公立高校で使われているマグロウヒル社の世界史の教科書に「日本軍による慰安婦強制連行」や
「慰安婦は天皇からの贈り物」といった不適切かつ、誤った記述があり、日本政府が同社や執筆者に
表現の是正などを求めたことに対しても、米歴史学者ら19人(後に1人増え計20人)は
「慰安婦の歴史を排除しようとしている」との声明を発表し、日本側による歴史改竄(かいざん)
と批判した。声明は「いかなる修正にも応じない」ともしている。
「歴史修正主義」という言葉は悪いイメージばかりが目立つが、歴史学上は必ずしもそうではない。
それは、“真実”とされている歴史解釈に対し、別の可能性を客観的根拠に基づき提示していく試みだ。
歴史修正主義的な立場からの研究成果をまとめた『「日本の朝鮮統治」を検証する 1910-1945』
(草思社)の共著者で、ハワイ大学マノア校名誉教授のジョージ・アキタさん(88)を訪ねると、
柔和な笑顔で迎えてくれた。
アキタさんの研究テーマに対する文献精査はすさまじい。その対象は論文や研究報告のみならず、
手紙や日記、メモ、走り書きにもおよぶ。「修正主義的研究の成果を支えるあらゆる証拠を見極め、
発表するときに最大限に活用するためだ」という。
アキタさんは著書の中で、米教科書問題で歴史学者の声明を取りまとめたとされるコネティカット大学の
アレクシス・ダデン教授が書いた日本の朝鮮統治の研究論文について、《学者らしからぬ、意味不詳かつ
一方的な記述の羅列と、ときに史実の立証が不可能な出来事に基づく、単純にして怪しげな結論なのである》
と根拠を示しながら痛烈に批判している。
その中には、日本政府が公式に「不適切な表現」と主張している「慰安婦=性奴隷」という内容も含まれる。
アキタさんも「慰安婦性奴隷」説は「不適切な主張」との立場をとる。その理由を論理立てて列挙した上で、
慰安婦問題では日本人慰安婦の存在がいつも無視されていることに触れ、《国際社会はこれらの女性たちの
苦しみにはなぜか憤慨しない》と皮肉っている。
著書の英語版「The Japanese Colonial Legacy in Korea」
(MERWIN ASIA)が今月出版された。慰安婦問題を米社会に適切に説明する貴重な資料といえる。
アキタさんは大学からは退いたが、ホノルルの自宅で執筆活動にいそしむ。米歴史教科書の共著者の
ハーバート・ジーグラー准教授は、ハワイ大の元同僚だ。アキタさんはジーグラー氏の人柄をほめた上で、
こう指摘した。「彼はドイツを中心とした欧州の歴史が専門で、日本や朝鮮半島のスペシャリストではない。
果たして、慰安婦などについて正しい記述が書けるのだろうか」
日系2世のアキタさんがもともと「日本寄り」と邪推されるのは本意ではない。
ハワイ生まれのアキタさんも当初は「慰安婦強制連行」説や「性奴隷」説を信じていた。
それを客観的に検証できたのは、他ならぬ歴史修正主義的な研究だったのだ。
米歴史学者の声明は「いかなる政府も歴史を検閲する権利を持つべきでない」と政治の介入を警戒する。
一方、日本の歴史学者有志は米歴史教科書の記述についての誤りを指摘する準備を進めているとも聞く。
ならば、歴史学者同士が見解をぶつけ合うアカデミックな討論の実現を期待したい。
教科書の不適切な記述の根拠をぜひ知りたいものだ。(ロサンゼルス支局長・中村将)
URLリンク(www.sankei.com)