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★ベネズエラ経済危機…またも中国の影 米国の裏庭で“破綻ドミノ”か?
2015.3.15 07:03
ベネズエラが経済危機に直面している。原油安で外貨準備がガタ減りし、為替レートは事実上崩壊。
物資不足で横流しや略奪が頻発し、海外に逃げ出す国民も急増している。アルゼンチンに続く
デフォルト(債務不履行)も現実味を帯び、さながら中南米に“破綻ドミノ”が起きつつあるが、
瀬戸際のベネズエラに中国が接近。中南米での影響力拡大を目指す習近平政権のしたたかな
支援外交が鮮明になってきた。
・堂々と横流し
ベネズエラの首都カラカス。
スーパーの陳列棚はスカスカだが、それを横目に店員が“なじみの客”に商品を手渡ししている。
欧米メディアなどにしばしば報じられる、ベネズエラでの横流しの一例だ。
「厳しい時代だから、頭を働かせなきゃ」
横流しで生計を立てるスーパーのある店員は、米ブルームバーグの取材に悪びれもせずに答えた。
この店員には、優先的に商品を渡す「上客」が100人あまりもおり、客からは配達などの
臨時アルバイトの依頼が見返りにあるという。
とくに、「牛乳や洗剤が不足している」(米紙ニューヨーク・タイムズ)とされ、市民同士が
生活必需品を求めて物々交換する光景も珍しくない。ブルームバーグは「冷戦の影響で経済が
崩壊した旧ソ連の混乱をほうふつとさせる」と指摘している。
富裕層なら安心かというと、そうではない。ベネズエラはチャベス前政権時代から企業や富裕層
への締め付けを強化し、価格統制を行って、貧困層の生活支援を進める政策を進めてきた。
社会主義国のベネズエラの失業率は5%台半ばで南米では最低水準にある。
マドゥロ大統領が企業に対して従業員の解雇を原則禁じているためだ。
富裕層が強盗に押し入られる事件も多発するなど、治安も悪化している。米メディアによると、
すでに国民の150万人以上が将来に見切りを付けて国外で生活しており、米国のほかスペインや
ポルトガルへの移住が進んでいるという。
ベネズエラが経済危機に陥ったのは、政府の政策運営のまずさや年率5割を超えるインフレもあるが、
輸出の9割以上を占め、世界最大の埋蔵量を誇る原油の相場下落が最大の要因だ。
このため外貨準備が急減し、今では220億ドル前後程度しかないとされる。
為替レートは公式には1ドル=6・3ボリバルだが、闇市場では1ドル=170ボリバル前後
にまで跳ね上がり、部品輸入が必要な自動車メーカーを中心に企業のドル需要が逼迫している。
・続く綱渡り
あわてたマドゥロ大統領は2月10日、政府が管理してきた為替レートを見直し、
自由相場制度を一部導入すると発表した。企業のボリバル収入を増やし、投資を促進する狙いだ。
ただ、それだけでは当面の危機をしのげないとみたか、マドゥロ大統領は1月、
海外に飛び出し、各国の支援を求めて回った。
各国がつれない反応を示す中で、救いの手をさしのべた国がある。北京で録画された
ベネズエラ国営テレビの番組で、マドゥロ大統領は中国から200億ドルの新規投資を確保
したと表明。エネルギー関連などのプロジェクトが投資対象で、「中国の国家開発銀行と
中国銀行からの一連の資金調達が承認された」と安堵した様子で語った。
反米で鳴らしたチャベス前大統領時代から、ベネズエラは中国との関係を深めてきた。
「米国が最大の出資国として影響力をもつ世界銀行など国際機関との関係も良好でないため、
資金調達で中国を重視してきた」(ブルームバーグ)との見方もある。
実際、中国はここ10年間で約450億ドルもベネズエラに融資している。
一方の中国には、ベネズエラへの支援を通じて、米国の裏庭である中南米への影響力を
拡大したいという思惑が透けて見える。 >>2へ続く
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