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★両親殺害放火事件、長男の被告に無罪判決 さいたま地裁
朝日新聞デジタル3月3日(火)17時23分配信
埼玉県熊谷市で2011年、両親を殺害し自宅に放火したとして、殺人と非現住建造物等
放火の罪に問われた長男で無職の羽鳥浩一被告(43)=群馬県太田市=の裁判員裁判の
判決が3日、さいたま地裁であった。栗原正史裁判長は「被告人が犯人であると認定する
には、合理的な疑いが残る」として無罪(求刑無期懲役)を言い渡した。
羽鳥被告の起訴内容は、11年3月10日、熊谷市の自宅で父親の平吉さん(当時68)と
母親の輝子さん(当時69)の首を絞めるなどして殺害し、翌11日、自宅に火をつけた
というもの。羽鳥被告は捜査段階から関与を否定。公判でも「両親は心中した。放火は、
誰かが侵入してやった」などと無罪を主張していた。
判決は、首の骨が折れていた輝子さんについては他殺と認定する一方、解剖で急性硬膜下
血腫が見つかった平吉さんの死因については「何者かの攻撃で生じたとまではいえない」
と指摘。2人とも持病を抱えていたことから、平吉さんが輝子さんを殺害し、自殺した
可能性もあるとした。
また、放火についても、羽鳥被告が出火時、自宅にいた証拠はなく、「第三者が放火した
可能性は否定できない」と判断した。
羽鳥被告は出火当日から行方不明になり、火災の6日後に静岡県内にいたところを捜査員に
発見された。この行動について、公判で「両親の死を知り、自殺しようと考えた」と説明
していた。一方、埼玉県警は遺体に煙を吸い込んだ跡が無いことなどから放火殺人事件
として捜査。14年5月に羽鳥被告を逮捕した。
さいたま地検の片山巌次席検事は「判決内容を精査し、上級庁と協議のうえ適切に対処する」と話した。
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