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★「追悼碑守れ」県相手に提訴…賛同署名3万筆超す
2015-02-25
・県立公園群馬の森
【群馬】第2次大戦中、群馬県でも朝鮮人労働者が多数徴用され、過酷な労働を強いられたという
事実を伝えようと、市民団体が県立公園「群馬の森」に設置した追悼碑「記憶 反省 そして友好」
が、県から撤去を迫られている。県は「追悼式典で市民団体側に政治的な発言があった」ことを理由に挙げた。
市民団体側は「公園で政治的な発言を禁止することは言論の自由を保障した憲法に反している」として提訴した。
・「強制連行なかった」論に反駁 市民団体
第1回口頭弁論は4日、前橋地裁であった。開廷前、追悼碑の撤去を叫ぶ保守系団体が街頭宣伝を
繰り広げるなか、28の一般傍聴席を求めて103人が抽選に臨んだ。
県は答弁書で「追悼碑が政治的な性質を帯び、憩いの場である施設にはふさわしくない」と棄却を求めた。
具体的には過去の集会における来賓のあいさつや新聞報道の内容を問題とした。過去、公園職員と
碑の撤去を求める団体との間でこぜりあいがあったことも影響したようだ。
これに対して原告団を代表して意見陳述を行った「守る会」事務局長の猪上輝雄さんは、日本の敗戦から
50年にあたる95年から4年がかりで、県内各地を歩いて得た当事者証言や公文書の記録などをもとに、
「強制連行はなかった」「朝鮮人はみな自主的に日本にやってきた」論に具体的に反論した。
猪上さんによれば、44年12月末時点で県内に住んでいた朝鮮人は1万2356人。これは「群馬県内政部長引継書」に基づく。
「これは届けが出された分だけ。たぶんこれに数倍する人数が無届けで県内各地の工場や土木の現場で過酷な
労働を強いられた」と述べた。なかでも、軍用機の製造工場、中島飛行機製作所では2500~3000人が
働かされていたという。
「碑文が反日的だ」「強制連行などなかった」「碑が政治的に利用されている」といった意見を県に集
中的に寄せた一部の右派勢力に対しては、「史実の歪曲やねつ造にもとづくマイノリティーへの
あからさまな差別・排外」だと指摘した。
次回の口頭弁論は5月13日14時。
・門前払い主張に抗議 原告弁護団が会見
裁判終了後、記者会見した原告弁護団は、過去の追悼式で政治的な意味合いを持つ意見があったとする
県側の主張に「不許可処分ありき」「言論の自由を無視した時代錯誤の憲法感覚」と批判。
憲法学者の意見書を出していくことを示唆した。
さらに、奈良県天理市など全国で同様のトラブルが起きていることを指摘しながら、「碑を建立してからの
7、8年間はなんの問題もなかった。この2、3年で急に問題化した。これは群馬だけの問題ではない。
歴史修正主義に裁判所がどんな判断を出すのか。正しい歴史認識をもったうえで判断を出してもらいたい」と述べた。
「追悼碑を守る会」事務局によれば、追悼碑の設置許可を求める署名運動の輪は全国各地で広がっているという。
その数、4日現在で3万1500筆。3月、県議会に請願する。
追悼碑「記憶 反省 そして友好」 04年4月、市民団体が県の設置許可を得て県立公園「群馬の森」(高崎市)に建立。
12年前後から「強制連行はなかった」と、碑の撤去を求める大量のメールやFAXが県庁に届くようになった。
14年には、「政治的な行事を行わないこと」とする設置許可条件に違反したと、2団体と個人が県議会に撤去を請願。
14年6月、自民党などの賛成多数で採択した。碑は許可を10年ごとに更新するのが条件。
(2015.2.25 民団新聞)
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