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★現地ルポ タイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、ラオス、6か国取材
「日本人よ、助けてくれ!」中国の横暴に苦しむ アジアの人々から届いた悲痛な叫び
2015年2月23日(月)0時0分配信 SAPIO
尖閣問題で中国の挑発に苦慮する日本だが、中国の海洋進出に直面する東南アジア諸国の状況はより深刻だ。
同じアジアの仲間たちから、中国への怒りと苦悩の声が聞こえてきた。
「日本よ、ともに助け合おう」
ベトナム・ホーチミン在住の日本人ジャーナリストの中安昭人氏は、中国の暴挙に対して怒る
ベトナム人からそう呼びかけられたという。
ベトナムが領土問題で緊迫したのは14年5月。中国とベトナムが領有権を主張する西沙諸島周辺で、
中国が石油掘削作業を強行しようとしたことで、都市部などで反中デモが起こった。
ベトナム南部の工業地区ではその数はおよそ2万人にまで達した。
「中国との領土問題を抱えるベトナムでは、尖閣で同様の問題を抱える日本を同胞と見ている。
彼らはアジアの同胞と協調して中国の横暴を止めたいと考えているのです」(中安氏)。
・フィリピン人女性 「弱い者いじめだ!」
ベトナム政府は当初、この反中デモを事実上容認していたが、数日後に対応を一変させた。
首相自らが携帯電話を使い、国民に自制を促すメッセージを一斉送信した。
多くの国民は、「中国に弱腰だ」と失望した。
こうしたベトナム政府の対応は過去、国内に進出した中国企業に対しても同様だ。
08年、中部・ダックラック省とダックノン省の境界に中国企業がボーキサイト工場を建設した。
現地では中国の進出を警戒し、開業前に100万人規模の反対署名がベトナム政府に提出された
にもかかわらず、政府はこれを受理しなかった。数千人と目される工場従業員に現地住民は雇用
されておらず、すべて中国人だ。
中国人労働者については現地で「純粋な労働者ではなく、訓練を受けた職業軍人ではないか」とも囁かれている。
ホーチミン市の自営業、グエン・ディン・チュンさんは憤る。
「我々、反対派が主張しているのは“ベトナム人を雇え、雇用を奪うな”という小さな問題ではない。
ここにいる中国人が本当に軍人だとするなら、ベトナムと中国の関係が悪化し武力蜂起が発生したときに、
ベトナムはまた南北に分断されかねない」
ベトナムに詳しい別のジャーナリストが背景を説明する。
「ベトナムにとって中国は最大の輸入相手国であり、国力の弱いベトナムはさまざまな面で中国製品に
依存せざるを得ない。また、政府は中国との関係悪化によって情勢不安になることで他の外国資本が
国外に逃げてしまうことも恐れている」
中国に苦しめられているのはベトナムだけではない。
フィリピンもまた南沙諸島、スカボロー礁をめぐり中国と激しく争っている。
フィリピン政府は13年1月、国連海洋法条約に基づきオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所に提訴した。
手続きが進んだが、14年12月に中国が突如「裁判所には管轄権がない」とする文書を公表し、
南シナ海のほぼ全域を中国領とする従来の主張を繰り返した。
フィリピン外務省のチャールズ・ホセ報道官が本誌に怒りのコメントを寄せた。
「中国政府による南シナ海ほぼ全域の領有権主張は度を超えており、国連海洋法条約に違反している。
我々が提訴した目的は、『力は正義なり』という概念を否定し、域内における法の原則に基づいた問題解決を促すことである」
マニラ在住のタクシー運転手も政府に賛同する。
「良心的な中国人もいるが国としては傲慢だ。フィリピンから米軍基地が撤退したので強硬姿勢に出ているのだろう。
領土問題は国際機関で解決してほしい」
マカティ市で飲食店を経営する女性の声はより率直だ。
「中国はフィリピンが小さい国だからバカにして強引な態度を取っている。明らかな弱い者いじめだ」
とはいえ、その声を直接中国に向けることは難しい。
フィリピン国内の長者番付上位の企業家はすべて華僑で占められている。そのため中国とのパイプを持つ彼らなしで
は国内の経済は成り立たず、中国を切り離せなくなってしまっている。かつての米軍の庇護もなくなり、
自国経済の首根っこを中国に掴まれたフィリピン国民は、大きな声を上げることができないのだ。 >>2へ続く
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