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★【日本の議論】万能型か器用貧乏か、「共産党」からも高評価…就任1年「舛添都知事」、都市外交のリスクに懸念も
2015.2.18 11:00
舛添要一氏が東京都知事に就任してから12日で1年。東京五輪の会場見直しや「都市外交」に
精力的に取り組む一方、介護や保育など福祉分野にも目配りし、都議会からは共産党も含め
「及第点」との評価を受け、“オール与党”ともいえる態勢をすでに構築した。バランスの取れた
「万能型の知事」との評価の一方、際だった独自色には欠ける「器用貧乏」との指摘もある。
舛添都政の1年を振り返る。
■「評価は他人がするもの」という言葉ににじむ自信
「評価というのは他人がするもので、自分がすべきものではない」。
就任1年を控えた6日の会見で、舛添知事はこの1年間の都政に対する自己評価を問われて、こう切り返した。
だが、その裏には自信がにじむ。「東京五輪について競技施設の見直しということで、2000億円の
経費削減などをやりました」。その直後に飛び出した言葉は、自らの成果を強調するものだった。
舛添知事は昨年6月、競技施設の見直しを表明。突然の方針転換に「話が違う」と競技団体から反発もあったが、
バドミントンなどを行う予定だった「夢の島ユース・プラザ」など3施設の新設を取りやめ、
建設資材の高騰などで膨らんだ総額4584億円とみられる整備費を2576億円にまで削減した。
今後、さらに見直しを加え、「後は少しパラリンピックの方にも人とコストをかけて、
これも遅れないようにやっていきます」と意気込む。
■「怒鳴らないので助かる」との都幹部の声も
舛添知事のこの1年に対する都幹部の評価はさまざまだ。
「飲み込みが早く、施策について、説明にかかる時間が、以前の半分で済むようになった」との声もあれば、
「頭がいいから自分でなんでもでき、人の意見をあまり聞かない」との声もある。
複数の幹部の話によると、「記憶力がとにかくいい」「怒鳴らないので助かる」というあたりは共通しているようだ。
舛添知事は、政治資金をめぐる事件で辞職した猪瀬直樹前知事に代わり、急遽(きゅうきょ)行われた
昨年2月の都知事選で初当選した。そのため就任時にはすでに平成26年度当初予算が編成済みで、
自ら手を加えられる部分が少なかったといい、1年目は“舛添カラー”を出せる部分は限られた。
ある幹部は「オールマイティー型の知事ともいわれるが、独自色が出しにくい分、堅実な都政運営を
したことが、いい評価につながったのでは」と話す。
■中韓との都市外交「隣の姉妹と会わないのは異常」
そうした中、舛添知事が熱心に取り組み、独自色が鮮明になったものの一つとして「都市外交」が挙げられる。
これまで6回の海外出張をこなし、計5カ国に訪問。五輪への協力要請などに取り組んだ。
ただ、就任直後から続いた外遊の連続に、昨年9月の都議会本会議で、自民党の村上英子幹事長は
「知事の海外出張が、それほど優先順位が高いとは思えない」と苦言を呈した。北京、ソウルの訪問では
歴史認識に関する発言への対応をめぐり、「なぜ地方自治体が外交をやるのか」と都に2万件を超える
意見が寄せられ、その大半が批判的となるなど、独自色がむしろ“裏目”に出る事態を招いた。
舛添氏は会見で、都市外交について「オリンピック・パラリンピックを控え、世界中の都市、国々から
協力を得なければ、この成功はおぼつかない。成功を得るために外交をやるのは当然のこと」と意義を強調。
東京都の姉妹友好都市の北京、ソウルへの知事の公式訪問が18年ぶりだったことを引き合いに、
「みなさん方の姉妹、兄弟がいて、お隣に住んでいて18年間会っていませんというのは異常と
思いませんか。異常ですね」と訴えた。しかし、ただでさえ成果の見えにくい外交分野において、
就任1年では「足元をすくわれかねない」との指摘もある。 >>2へ続く
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