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★【正論】私なら「安倍談話」でこう訴える
2015.2.17 05:02
□ヴァンダービルト大学名誉教授・ジェームス・Ｅ・アワー
先の戦争が終結して７０年という記念の年にあたり、安倍晋三首相が何を話すべきか、
あるいは話すべきでないかについて、外国人は誰も口を挟む余地などない。
そこで、私が安倍首相だったら、このようなことを話したいと考えるだろうという
私見だけをここで述べてみたい。
《誰でも権利がある靖国参拝》
記念日とは多くの場合、過去、現在と将来について考える機会となる。日本や他のアジア諸国を
含む多くの国の大勢の人々に多大な苦しみを与えた戦争を振り返り、戦争で亡くなり負傷した、
あまりにも多くの人々とその家族がこうむった多大な生命の損失と苦しみに対して、
私が安倍首相であれば、理解と同情の念を表したいと思う。
また、昭和天皇と今の天皇陛下、前任の歴代首相が幾度も述べたように、戦争では悲惨な事態が
引き起こされてしまうことを、わが国が理解していることを示すとともに、多くの人々に極度の
苦痛をもたらした日本の行動への謝罪を再び明確にし、日本は政治的目的を達成するために
武力を使うことは断じてないとの決意を改めて確認する。
靖国神社への参拝、尖閣諸島（沖縄県石垣市）、竹島（島根県隠岐の島町）、慰安婦の問題などに
ついては多くを語らないことにするが、公平を欠いていると見なした批判に対しては反論するのをためらわない。
もちろん、日本国首相や日本国民は誰でも靖国神社や一般に開放されている戦没者追悼の地を訪れる
権利がある。そしてもし、これらの場所を「決して再び」訪れないと「約束」するよう迫られたならば、
自分には（参拝の）権利があるのだと私はわきまえる。
日本政府高官が靖国神社を参拝することに、日本国内と諸外国の一部に反対があることは承知している。
だが同時に、自由選挙で選ばれた日本の首相として、靖国神社に参拝するかどうか、参拝するなら
いつなのかは自らの裁量で決断し、その決断の責任を負うということを明確にする。
《女性の尊厳と権利への信念》
尖閣諸島や竹島については、いわれのない挑戦を受けた場合にのみ立ち向かう。
尖閣諸島をめぐる日本の主権が言葉や軍事力による挑戦を受けた場合は、私は冷静かつ明白に、
日本の主権は戦争とは関係なく、交渉の余地もないと言明する。
自衛隊の最高司令官として、尖閣諸島に対し、どのような侵略行為があったとしても、
他の日本領土に対するあらゆる武力侵略と同様に対抗措置をとる。
竹島に関して日本の領有権放棄を要求された場合は、日本の法的主張は明確で、
日本は進んで国際司法裁判所の裁断に委ねるとの立場を述べる。
慰安婦問題については言葉を尽くしたと思うが、（議論を）迫られた場合は、日本は１９３０年代
～４５年に日本兵のための慰安所設置をめぐる政府の関与について、日本は既に存在が知られている
歴史的証拠を一切隠していないことだけを改めて述べる。
命令に背いたかもしれない日本兵や、その他の理由で慰安婦に苦しみをもたらしたことに対する
痛恨の念について記した、過去の政府関係者による談話を書き換えたりはしない。
その代わり、為政者としての考え方の重要な柱である、女性の尊厳と権利（の擁護）についての
私の強い信念を伝えたいと考えるだろう。 >>2へ続く
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