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★さわかみ会長：ロボットと外国人で人口減に挑め、関連株投資
2015/02/10 13:19 JST
（ブルームバーグ）：安倍政権が腐心するデフレ脱却と財政再建の両立。日本経済を長年苦しめる
２つの重要課題の底流にあるのは、人口減少による内需先細りへの不安だ。この不安解消策の１つとして、
日本の長期投資家として知られるさわかみ投信の沢上篤人会長（68）は「ロボットと外国人」を挙げる。
沢上会長はこのほどブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、日本の人口について
「2050年までに１年ごとに0.4％減少する。この数字が大きいか小さいかよりも、別の点に注目すべきだ」
と発想転換の必要性に言及。投資の観点からは、高齢者は潤沢な資金を持ち、彼らを「ケアするロボット
技術への需要は今後も拡大する。そこが大きなターゲット」と少子高齢化社会における有望市場の存在を指摘した。
総務省によると、１月１日現在の日本の総人口は１億2702万人で、前年同月比0.2％減少。年間ベースでは
11年以降に減少傾向が顕著になっており、毎年20万人以上純減している。13年10月１日時点では、
生産年齢人口（15－64歳）が32年ぶりに8000万人を下回り、４人に１人が65歳以上の高齢者となった。
政府も「日本再興戦略」の中で産業再興、戦略市場創造、国際展開の３つのプランを定め、企業が直面する
グローバルなコスト競争や労働者の高齢化に対応しようと、ロボットによる産業革命の実現を打ち出し、
昨年９月に「ロボット革命実現会議」を立ち上げた。ことし１月にまとまった新戦略では、20年には
国内製造業でのロボット導入の市場規模を現在の6000億円から1.2兆円に２倍、非製造業で600億円から
1.2兆円へ20倍にするとした。
ロボットは、さわかみ投信が運用する追加型の日本株投信「さわかみファンド 」の中でも重要な投資
アイデアの１つとなっており、１月末時点で組み入れられている115銘柄のうち、ロボット事業に取り組む
パナソニックやホンダ 、ダイキン工業 などが組み入れ上位に並ぶ。
・移民にも賢く
また沢上会長は、「われわれは移民について賢く考えるべきだ」とも指摘。「米国は、ソビエト崩壊時に
高い教育を受けたロシア人を多く受け入れた。このような移民政策は素晴らしい」とし、高度な外国人人材の
積極的な活用を進めるべきとしている。
研究者や技術者など外国人の高度人材の受け入れを促進させるため、在留期間や活動の制限などを緩和する
新たな在留資格の創設などを盛り込んだ改正出入国管理および難民認定法が国会で昨年６月に成立、
ことし４月から施行される。
厚生労働省のまとめでは、昨年10月末の外国人労働者数は78万7627人と前年同月比で9.8％増加。
07年に届出が義務化されて以来、過去最高を更新した。国籍別の比率は中国が39.6％、ブラジルが12％、
フィリピンが11.6％などとなっており、在留資格別では専門的・技術的分野が14万7296人と前年比で11％増えた。
沢上会長は、「われわれは将来の企業収益と株価に非常に強気だ。長期投資家として、市場が下落したとしても、
チャンスがあれば常に買う準備はできている」と話している。
さわかみファンドの９日時点の純資産総額は3095億円、１月末時点の株式の組み入れ比率は現物で95.66％、
短期金融資産が4.34％。組み入れ銘柄は東証１部が109、２部が１、ジャスダックが４、その他市場が１。
組み入れ上位20銘柄はトヨタ自動車、ブリヂストン、花王、ダイキン工、日本電産、三菱重工業、国際石油
開発帝石、デンソー、日本特殊陶業、信越化学工業、パナソニク、浜松ホトニクス、商船三井、ＴＯＴＯ、
旭化成、セブン＆アイ・ホールディングス、東レ、テルモ、新日鉄住金、ホンダ。
過去１年の基準価格の騰落率（税引き前、分配金込み）はプラス19.2％、1999年８月の設定来ではプラス
105.9％となっている。ＴＯＰＩＸの過去１年パフォーマンスはプラス16％だった。
URLﾘﾝｸ(www.bloomberg.co.jp)