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★過酷な尋問「テロ防止に寄与せず」 米上院委が報告書
2014/12/10 9:41
【ワシントン＝芦塚智子】米上院情報特別委員会は９日、ブッシュ前政権下で米中央情報局
（ＣＩＡ）がしたテロ容疑者への過酷な尋問の調査報告書（要旨）を公表した。
水責めなどの尋問手法は「テロ防止に効果的でなかった」と断定した。反米感情の高まりや
テロを招きかねないとして、米政府は在外公館などに警戒するよう指示した。
報告書は、過酷な尋問は「情報のでっちあげ」につながる場合が多く、差し迫ったテロを
防ぐのに不可欠な情報を得られなかったと指摘した。ＣＩＡは尋問の方法や効果について
ホワイトハウスや議会などに不正確な情報を伝えていたとも批判した。
ＣＩＡの尋問手法は従来の説明より「はるかに残忍だった」と指摘。「容疑者を真っ暗な
独房に入れて大音響の音楽を聴かせる」「立たせたまま最長180時間も眠らせない」
といった手法を例に挙げた。裸で拘束され凍死した容疑者もいるとした。
オバマ大統領は報告書について声明を発表し「過酷な尋問手法は米国の価値観と相反する
だけでなく、テロ対策にも国家安全保障上の利益にも寄与しなかったという私の考えを
補強するものだ」と評価した。「２度とこのような手法が使われないよう、引き続き
大統領としての権限を行使する」と表明した。
一方、ＣＩＡのブレナン長官は声明で「過ちはあった」と認めた。そのうえで過酷な尋問で
実際にテロの阻止やテロリストの拘束につながる情報が得られたと反論した。共和党議員らも
報告書について「一方的」「海外の米国人の生命を脅かしかねない」と批判した。
米政府は、テロ組織が報告書を反米宣伝に利用しかねないとして、ソーシャルメディアを
中心に動きを注視している。中東地域などの米軍も警戒態勢を敷いている。
URLﾘﾝｸ(www.nikkei.com)
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