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★アンジェリーナ・ジョリー監督の「アンブロークン」 米捕虜を日本兵が虐待で配給会社が日中公開を思案
2014.12.5 18:54
【ロサンゼルス=中村将】米女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが監督を務める映画「アンブロークン(原題)」
をめぐり、配給元の米大手映画会社、ユニバーサル・ピクチャーズが日本と中国での公開について思案している
もようだ。ロサンゼルス・タイムズ紙が報じた。映画は全米で25日から公開されるが、主役の米兵を日本兵が
再三虐待する場面があり、日本では抵抗感が強く、中国では反日感情をあおりかねないためだ。
映画は先の大戦で、日本軍の捕虜となった元五輪選手で米軍機の爆撃手だった、ルイス・ザンペリーニ氏の
半生を描いている。北米や欧州、豪州などで公開が決まっているが、世界2位の映画市場である中国と
3位の日本での公開は未定だ。
ザンペリーニ氏は1936年のベルリン五輪の陸上5千メートルに出場し、8位に入った。
後半の力走が観戦中のヒトラー総統の目にとまり、競技後、握手を交わしたという逸話もある。
戦時中、搭乗した爆撃機が太平洋上に不時着。47日間漂流した後、旧日本軍に発見されて捕虜となった。
収容所の看守に目をつけられ、繰り返し虐待を受けたとされる。終戦によりロサンゼルス郡トーランス市に
戻ったザンペーニ氏は故郷の英雄に。98年の長野五輪では聖火ランナーも務めた。
今年7月2日、肺炎のため97歳で死去した。
映画の予告編で、日本兵による虐待シーンがあることは確認されているが、さらに問題視されているのは
ベストセラー作家、ローラ・ヒレンブランド氏の原作で、「捕虜たちが焼かれたり、人体実験で殺され、
(日本の)古来からの人食いの風習で生きたまま食われた」などと捏造(ねつぞう)されたストーリーが
史実のように描写されていることだ。「映画にそうしたシーンがあれば、中韓が政治的に利用しかねない」
と懸念する在米日本人もいる。
ユニバーサル社が、日本での公開を案じる背景はそこにある。同社幹部はロサンゼルス・タイムズ紙の取材に、
「映画は『希望と立ち直る力』を表現している。強調したかったのは人間の精神力であり、
日本軍の捕虜への行為ではない」と説明している。
一方、中国では反日映画やテレビドラマが人気で、2012年だけで200以上の作品が制作された。
01年に日本でも公開されたマイケル・ベイ監督の「パールハーバー」など、先の大戦を扱ったハリウッド
映画はいずれも好調だった。原作の「アンブロークン」も中国語に翻訳されており、映画も相当の売り上げが見込めそうだ。
だが、ユニバーサル社側は、「(中国で公開することで)反日感情をあおっているとみられるのは本意でない」としている。
URLリンク(www.sankei.com)