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★あなたは大丈夫? 40代以上の100万人がひきこもるニッポン〈前篇〉 なぜこんな国になってしまったのか現代新書カフェ
2014年11月15日(土) 西村博之,池上正樹 ひろゆき×池上正樹 徹底討論〈前篇〉
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ひろゆきこと西村博之氏(写真左)と、『大人のひきこもり―本当は「外に出る理由」を探している人たち』
(講談社現代新書)を先ごろ上梓した池上正樹氏(写真右)が、4年ぶりに〝激突〟。予備軍も含めると
「40代以上の大人のひきこもり=100万人」という日本が抱える大問題をテーマに、語り合った。2010年と比較して、
「ひきこもり」はどう変化したのか。なぜ、中途採用にいくら応募しても、採ってもらえない状況があるのか。
ひきこもる人々はもちろん、コミュニケーションが苦手な人にとっても、活躍できる居場所は必ずある―。
それぞれの立場から二人が持論を展開、打開策を探った。
■ハローワークの〝カラ求人〟!
池上 僕が「ひきこもり」をテーマにした前著『ドキュメント ひきこもり』(宝島社新書)を刊行した2010年、
はじめてニコニコ動画に出演させていただき、ひろゆきさんと対談しました。でも実は、(ニコ動の視聴者層は)
もともと僕が仕事していた活字媒体の読者層とは違うだろうし、見えない相手からコメントされることに対する
怖さもあって、何度かお断りした経緯があり、いやいやながら引き受けたのが正直なところでした(笑)。
そうしたら意外なことに、その時のニコ動を見た人たちがたくさんいて、以来、ひきこもりに関する講演活動で
全国各地を訪ねると、行く先々でひきこもりの当事者の人たちから「ニコニコ動画見ました」
「池上っていうのはどんなヤツなのか、ちょっと会いに来ました」って、言われるようになりました。
ひろゆき 「ひきこもり」当事者の場合、たしかに活字で読むという人より、ネットで見る人のほうが多いでしょうからね。
池上 社会とのつながりがネット中心という人も多いようです。
そういうことが何度もあって、ニコニコ動画というのは効果があるんだな、と痛感しました。
ひろゆき テーマがテーマですからね。「ひきこもり」やってる人で、ネットやってる人、多いですからね。
池上 特に地方の人の場合、他に行くところがないし外に行く場所もないということで、
しょっちゅうニコ生とかを中心に見ている人が多い、という話をよく聞きます。
ひろゆき 2010年と比較して、「ひきこもり」の状況はどう変化していますか?
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池上 体感的には増え続けていますよね。裾野が広がっているというか。従来のコアなひきこもり層に加えて、
たとえば都会で働いていた人が親の介護を理由に仕事を辞め、田舎に帰ったものの再就職先を見つけることができず、
そのままひきこもってしまう……というような新たな層が出てきているんです。
今回上梓した最新刊『大人のひきこもり』でも紹介していますが、会社の求人に200社、300社と応募しても、
採用してもらえない人たちが非常に多い。
ひろゆき これまでの「ひきこもり」というのは、非常にわかりやすかったのですが、今回の本では失業者も
「ひきこもり」にカテゴライズされていて、そういう意味では幅がすごく広がっちゃっている、というのが感想でした。
池上 そうした人々を〝失業系ひきこもり〟と呼ぶメディアもあるぐらい、いまの日本の経済状況の深刻化が5年前よりも
さらに進んでいる、ということではないでしょうか。特に地方に行けば行くほど、いろいろな理由で外に出られなく
なってしまった人たちが増え続けていますね。
ひろゆき 今後も増え続けますよね、景気が悪い限り。仕事があれば〝失業系ひきこもり〟は減ると思うんですけど、
仕事は減る一方じゃないですか。そうすると、1回、〝失業のわな〟にハマると、なかなか抜け出せなくなりますよね。
池上 求人数は多いように言われていますが、応募し続けているのに返事すら来ないケースが少なくありません。
ようやく入社できても、そこはブラック企業で傷つけられたりする。それに加え、地方に行けば行くほど、
「正規社員になってほしい」という親のプレッシャーがいまだに強い。しかし、ハローワークに行っても〝カラ求人〟が多いんです。
>>2へ続く