14/10/31 14:20:36.86
★増税の凍結延期から解散総選挙へ---菅義偉官房長官の発言を読み解いた私の見立て
2014年10月31日(金) 長谷川 幸洋
■間違えるかもしれないリスクを背負った上で
私は先週24日公開のコラムの最後で、消費税再引き上げの先送りは必至とみたうえで
「安倍晋三政権は解散総選挙を考え始めたのではないか」と書いた。
増税の凍結延期から解散総選挙へ、という見立てである。
本来なら、それだけで1本のコラムを書くはずなのだが、先に話を聞いていた稲田朋美自民党政調会長の
インタビューを落とすわけにはいかないので、苦肉の策で「付け足し」にして書いた。
私が解散総選挙の可能性に触れたのは、コラムで書いたように10月22日午後のニッポン放送番組
『ザ・ボイス~そこまで言うか』が最初である。
その時点で解散総選挙の可能性に踏み込んで話し活字にしたのは、私だけだ。
いずれ新聞やテレビも追っかけてくるだろう、と思っていたら、29日までに産経新聞や毎日新聞、
読売新聞、時事通信、TBSが「年内解散論が急浮上」(産経、10月28日付朝刊)などと書いてきた。
これらの記事は、たとえば読売の「自民内に年内解散論」(29日付朝刊)のように、安倍政権や自民党内に
「解散論が出てきた」という話である。私のコラムは自民党内の空気を書いたのではない。
私自身の読みで解散の可能性を指摘したのだ。同じようなものだと思われるかもしれないが、まったく違う。
私は政府高官や自民党議員に取材した感触を記事にしたのではない。コラムをお読みいただければお分かりのように、
放送当日の菅義偉官房長官の発言を読み解いた結果である。だから、私は自分が間違えるかもしれないリスクを背負っている。
新聞やテレビは客観報道が建前だから、記者の読みだけでは「解散へ」などという記事は書けない。
だれかの裏付けが必要なのだ。解散話となると、それは総理の専権事項だから、総理から確認しないと書けない。
そこで次善の策として「自民党内には解散論も」という報道になる。
URLリンク(gendai.ismedia.jp)
私は記者が独断で「自分はこうみる」というスタイルの記事があってもいいと思う。
記者が間違うかもしれないリスクを背負うなら、署名入りで書いたっていいではないか。
それはジャーナリズムの自立性を高める。問題はリスクを背負う勇気があるかどうか、である。
これはジャーナリズム、ジャーナリストにとって根本にかかわる話だ。政府高官や有力議員の話を聞かずに
自分の見立てを書くわけにはいかない、あるいは高官や有力議員の見立てと違った話を書けないと考えるなら、
それは記者の敗北だ。いつまで経っても、高官や議員の後ろにくっついているしかなくなる。そしてやがてポチになる。
■これまで閉会中に衆院が解散された例はない
29日には、自民党の谷垣禎一幹事長がテレビカメラの前で「我々もちょっと厳しい状況で打開しなきゃ
いけないという時には、そりゃいろいろ議論は出てきますよね」と語り、解散総選挙の可能性に触れた。
こうなると、永田町は解散風がますます強くなるだろう。
そんな流れになると指摘したうえで、今回は新聞やテレビが触れていない大事な問題を書いておきたい。
まず、考える前提である。新聞記事はどこも明確に指摘していないが、そもそも衆院解散は国会会期中でなければ事実上、できない。
憲法にそんな条文があるわけではないが、解散は総理大臣が国民の代表である衆院議員のクビを切るという話なので、
議員が納得したうえで、というわけでもないが、みんながいるとき、すなわち国会開会中のほうが望ましいとされている。
実際、これまで閉会中に衆院が解散された例はない。
原則として会期中でなければならないとすると、いったいいつ解散できるのか。これが最初の問題である。
新聞やテレビの報道はその点について、まったく詰めていない。
たとえば、毎日新聞は「じわり解散ムード…閣僚不祥事、相次ぎ」(10月28日付朝刊)という記事で「自民党執行部に近い
中堅議員は『再増税の判断を保留し、12月解散に踏み切ってはどうか』とつぶやく」と書いて、12月解散の可能性に触れている。
>>2へ続く