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★「なぜ我々が中国に搾取されねばならぬ?」米国の裏庭“資源国”から上がる疑問の声
2014.8.31 07:00
中国が中南米で存在感を強めている。中国の習近平国家主席は今年7月、ブラジルで行われた中南米・カリブ
諸国首脳会議で「共に発展する運命共同体の構築に努める」と題した演説を行った。中南米各国への投資も
熱を帯びる。米国の「裏庭」にくさびを打つ狙いもあるが、世界で中国が続ける「資源漁(あさ)り」の
一環でもある。「なぜ中国に搾取され続けなければならないのか」。投資を受けた側の国からは、そ
うした疑問の声があがっている。
◆ウインウインの関係は本当か?
習主席は、中南米諸国の首脳が顔をそろえた7月17日の会議で、経済面での協力で、ウインウインの関係を
築くことや、政治・文化面での交流などを発表。会議では、中国・中南米カリブ諸国共同体フォーラムの
発足が発表された。人民網(電子版)などが伝えた。
ブラジルのルセフ大統領やキューバのラウル・カストロ国家評議会議長らが首脳の中に、中南米ベネズエラの
マドゥロ大統領の姿もあった。習主席はこの後、21日にはベネズエラを訪れ、マドゥロ大統領と首脳会談を
行い、油田開発や鉱物資源などに関する38もの協定に署名した。
国際石油資本の英BPの統計によると、ベネズエラの石油埋蔵量は2012年が2965億バレルで世界一。
原油の生産量でも、メキシコに次ぐ中南米2位で、中国への原油輸出は13年で3054万トンに及ぶ。
ただ、その多くは中国への債務返済に充てられている。
今回の中国との経済協定では新たに57億ドル(約5700億円)の融資が結ばれた。
ただ、これには反発の声があがっている。
「世界で最大の石油埋蔵量を持つ私たちが、なぜ中国に多くの負債を抱える必要があるのか」
インターナショナル・ビジネス・タイムズ(アイビータイムズ、電子版)によると、反政府系のリーダーの1人で、
大統領選でマドゥロ氏と争ったエンリケ・カプリレス氏は短文投稿サイトのツイッターにこう記した。
中国による「資源漁り」への警告でもある。
◆世界最高層のスラム街をめぐる暗躍?
ベネズエラでは、あるビルと中国を結びつける報道があった。
ロイター通信などによると、ビルは、世界で最も高い「スラム街」とされる首都カラカスの45階建ての「ダビドの塔」。
投資家のダビド・ブリレンブルグ氏が所有し、当初は金融センターになる予定だったが、金融危機と同氏の死去などの
影響を受け1994年ごろから工事が中断。そのまま放置され、当時のチャベス大統領(2013年3月に死去)が
07年にホームレスやギャングの構成員が移住することを許可した。
アイビータイムズなどによると、建物内で麻薬の売買が行われたり、誘拐・拉致の現場になったりするなど犯罪拠点となった。
貧困と暴力の象徴となったビルで今年7月22日、不法居住者約3千人の退去が始まった。
退去者はカラカス郊外に政府が用意した低所得者向け施設に向かったという。
今回の退去の真意は分からないが、ベネズエラは犯罪発生率が高く、犯罪が横行している。その汚名の払拭(ふっしょく)
というのは考えられるシナリオだが、それだけではないという。ロイター通信やアイビータイムズは地元紙報道としてこう報じた。
>>2へ続く
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