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■母を亡くした長男 警察官目指す 関越道バス事故から２年 [14/04/30]
藤岡市の関越自動車道で２０１２年４月に起きた高速ツアーバス事故から２９日で丸２年となった。
事故で母山瀬直美さん＝当時（４４）＝を亡くした岐阜経済大４年の長男俊貴（としき）さん（２１）＝
岐阜県大垣市＝は現場を訪れ、「群馬県警の警察官になって恩返しする」と誓った。
事故が起きた午前四時四十分、現場下の献花台で俊貴さんは家族三人と一緒に手を合わせた。
「いつも笑顔で、優しい母だった」。目尻をぬぐいながら報道陣に語った。事故後、県警のサポートの
手厚さを肌で感じた。現場を訪れたり、裁判を傍聴したりする時、警察官が常に付き添ってくれた。
交通部の男性警察官から「一生かけてサポートしていくからね」と言われたことが何より心強かった。
小さいころから野球を続け、スポーツにかかわる仕事を志し、大学はスポーツ経営学科に入った。
だが事故を機に考えが変わった。「傷ついた人の身近に付き添えるような警察官になりたい」
一次試験が五月十一日に控える。次は合格の吉報を携え、訪れるつもりだ。
父哲夫さん（４８）＝石川県能登町＝は俊貴さんの意志について「群馬県警にとてもよくしていただいたし、
（直美さんの）近くにいたいのかも。応援してやりたい」とほおを緩めた。
一方、バスの運転手河野化山（かざん）受刑者（４５）の一審判決＝懲役九年六月、罰金二百万円＝が
確定したことは、直美さんに報告していないという。哲夫さんは「なぜ、ここで死ななければならなかったのか。
いまだに判決を受け入れられない。本当に受け入れられたら報告する」と悲痛な面持ちで話した。
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