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妹を失った悲しみや、日常生活を送るつらさを誰かに聞いてほしかった-。長崎県佐世保市の
小6女児同級生殺害事件で、妹の御手洗怜美(さとみ)さん=当時(12)=を亡くした男性(24)が5月、
初めて講演し、孤独だった日々を振り返る。事件前、妹から加害女児とけんかになっていると
打ち明けられた。「自分がきちんと対処していれば事件を防げたのでは」。
自責の念を1人で抱え込み、苦しんだ。6月で事件から10年。ようやく向き合えるようになった記憶をたどり、
犯罪に巻き込まれた子どものケアの大切さを訴える。
男性は怜美さんと3歳違いで、佐世保市の中学に通っていた。2004年6月1日、授業中に1人呼び出された。
生徒指導室にいた校長や数人の教師たちは深刻な表情で黙ったまま。事件を伝えるインターネットの
速報記事を無言で渡された。「怜美が死んだ」と理解しながら、現実のこととは思えなかった。
深夜、遺体と対面したときになって、涙があふれた。
もともと感情をあまり表に出さない性格だった。うつろな表情の父恭二さん(55)を見て、
「おやじさんがどうにかなるんじゃないか。しっかり生活する姿を見せて元気づけないと」と思った。
気丈に振る舞い、夜、布団に入ってから声を押し殺して泣いた。
中学でも、友人や教師と事件の話はしなかった。誰かに聞かれることもなかった。
母を病気で亡くしたこともあり、2人で過ごすことの多い仲の良い兄妹だった。
事件の1、2カ月前、怜美さんから、加害女児と交換日記やインターネットの書き込みでけんかに
なっていると相談された。「落ち着くまで交換日記はやめておいたら」と助言した。女児とも顔見知り。
2人は仲直りしたように見えた。
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