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中国の習近平指導部が、対日戦争の歴史を強調した対日圧力を一段と強めている。
吉林省档案館（歴史資料館）は２８日までに旧日本軍による侵略行為に関する多くの史料を公表。
共産党理論誌「求是」は「近代日本の中国侵略は明治期に始まった」と指摘しており、
これまで対日批判の中心だった抗日戦争期よりさかのぼって歴史問題を追及する姿勢を示している。
共産党・政府は昨年１２月末の安倍晋三首相の靖国神社参拝を受け、「戦争の歴史を使って日本を孤立させる」（共産党関係者）政策を決定。
内外に対して大々的にアピールしており、来年の抗日戦争勝利７０周年に向け、反日機運をさらに盛り上げる方針とみられる。
日本が東北地方に樹立したかいらい国家「満州国」（１９３２～４５年）の首都が置かれた吉林省の档案館は１月から史料公表を始め、
４月２５日には旧日本軍による南京事件（３７年）、慰安婦、細菌兵器の研究開発に従事した関東軍「７３１部隊」などに関する８９件の史料を発掘したと発表。
１ページを使って紹介した共産党機関紙・人民日報は「日本による中国侵略研究の空白を補充し、
歴史の真相をさらに復元したものだ」と解説した。こうした史料をまとめた書籍も発行された。
中国当局は国内向けだけでなく、海外メディア記者にも中国政府の立場への支持を訴える「宣伝戦」を強めている。
外務省は１月に遼寧省の抗日戦争記念館や档案館に、２月には江蘇省の「南京大虐殺記念館」にそれぞれプレスツアーを企画。
４月２８、２９両日には第３弾として吉林省档案館などへの取材をアレンジした。
習近平国家主席は３月末に訪問したドイツで南京事件に言及し、「３０万人以上が虐殺された」と強調。
中国紙によると、４月２７日には訪中したデンマークのマルグレーテ女王が現職の外国国家元首として初めて「南京大虐殺記念館」を訪問した。
一方、「求是」は「今年は日清戦争開戦１２０周年で、（明治政府成立以来で初の海外出兵となった）台湾出兵１４０周年でもある」と指摘。
「１８７４年の台湾出兵から１９４５年の第２次大戦終了まで、近代日本が中国に対して行った７０年余の侵略」について歴史的事実を明らかにする必要性を訴えた。
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