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徳田毅前衆院議員の辞職に伴う衆院鹿児島2区補選は自民公認、公明推薦の新人候補が、民主党などが推薦する無所属の前職候補らを破り議席を守った。
昨夏の参院選による衆参ねじれ状態の解消後、初の国政選挙を与党は制した。
政治とカネの問題で徳田氏が自民党を離党したうえ辞職に追い込まれての選挙だったが、
民主党など野党側は有権者の関心を呼ぶに足る争点を示しきれなかった。与党も厚い保守地盤にもかかわらず、これまで以上に厳しい戦いを強いられた。
消費税が4月に引き上げられ、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)も正念場を迎える中での国政選挙で、安倍内閣にとって負けられない選挙だった。
安倍晋三総裁が現職首相として初めて奄美大島を訪れるなど与党が総力戦の形を取ったのも、政権への信任選挙と位置づけたかったためだろう。
にもかかわらず国政選挙として政策論争は盛り上がらず、何が争点なのかは結局、はっきりしなかった。
一番の責任が野党をけん引できない民主党にあることは言うまでもない。いわゆる第三極勢が迷走する中、
海江田万里代表の下で浮上の足がかりすらつかめない状況は極めて深刻だ。
党内には「いま、海江田氏を交代させても次期衆院選までに新代表の賞味期限がきれる」との理由などから来春の統一選後に
去就を改めて判断すべきだとの声が強いようだ。危機感が乏しいのではないか。
自民もまた、追い風は感じられなかった。補選とはいえ保守王国での選挙で投票率は伸び悩んだ。
奄美群島で「徳田王国」と言われた徳田氏の組織が動かなかった事情もあるが、それだけであるまい。
政治とカネの問題での議員辞職という異常さへの不信に加え「アベノミクス」の効果が地方や中小企業に実感できない要素などが絡み合っているのではないか。
経済政策への一定の評価が示されたと判断するのは早計だろう。
野党に存在感がない中での与党勝利という構図はさきの参院選と同様だ。野党は政策不在の再編に走るよりも、
まずは与党との明確な対立軸を構築すべきだ。自民も集団的自衛権をめぐる解釈改憲の信任と位置づけるような軽はずみは許されない。
勝利を謙虚に受け止めるべきだ。
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