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法王の巨大十字架が倒壊、下敷きの男性死亡 イタリア
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AFP 2014年04月25日 10:44 発信地:ローマ/イタリア
【4月25日 AFP】イタリア北部で23日、今週末に行われるローマ法王故ヨハネ
・パウロ2世(John Paul II)の列聖式に先だち行われていた記念式典中に、
同法王のために制作・設置されていた巨大な十字架が倒れ、男性1人が押しつ
ぶされて死亡した。
伊北部にあるアルプス山麓の村チェーボ(Cevo)近くで行われていた式典中
に、高さ30メートルの木製の十字架が倒れ、マルコ・グズミーニ(Marco
Gusmini)さん(21)が死亡した。
村長のシルビオ・チトローニ(Silvio Citroni)氏は事故当時の状況につい
て、十字架が折れる音がしたため集まっていた若者たちは四方八方に逃げたが、
グズミーニさんは「逃げる方向が悪かった」たと説明。列聖式を祝うために村
で予定されていた他の行事はすべて中止となったと付け加えた。イタリアの報
道によると、グズミーニさんは運動機能に軽度の障害があり、そのために逃げ
遅れた可能性がある。
倒れた十字架には、高さ6メートル、重さ600キロのキリスト像が取り付けら
れていた。十字架は曲線的なデザインで、地面にケーブルで固定されていた。
この変わった形は、彫刻家の故エンリコ・ジョブ(Enrico Job)氏によるデザ
インで、第2次世界大戦の傷跡を象徴している。十字架は1998年にヨハネ・パ
ウロ2世がロンバルディア州を訪問した際に制作され、2005年にチェーボ村近
くの景勝地に設置されていた。
ジョブ氏の妻で映画監督のリナ・ウェルトミュラー(Lina Wertmuller)さ
んは、亡くなったグズミーニさんとその遺族に哀悼の辞を述べるとともに「あ
の十字架はイタリアの象徴であり、庇護の象徴だったのに、こうした悲劇を前
にし、それが空虚に聞こえる」と語った。
伊紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)によれば、グズミーニ
さんが両親と住んでいた家は、奇しくも今月27日にヨハネ・パウロ2世と共に
列聖されるイタリア出身の故ベネディクト16世(Benedict XVI)の名が冠され
た通りにあった。(c)AFP