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米「オバマ訪日」報道は、「寿司抜き」「安倍抜き」「尖閣抜き」
URLリンク(www.newsweekjapan.jp)
中国・南宋時代の思想家、陳亮の「同床異夢」という言葉があります。同じことをやっていても、
心の中ではまるで別の方向を向いているという意味ですが、今回の日米首脳会談については、
正にこの「同床異夢」という表現が当てはまるように思います。共通の問題に関して討議がされており、
表面的には両国の良好な関係が確認されたように見えますが、
その一方で、日米の世論は余りにも「別の方向性を向いている」、そのことを図らずも
今回の会談は浮かび上がらせたように思うからです。
そもそもアメリカでは今回の大統領のアジア訪問に関しては、それほど大きく取り上げられていません。
例えば、オバマ大統領が羽田空港に着いたのが日本時間の23日(水)の夕刻で、
その映像はアメリカの同日の朝7時のニュースに間に合ったのですが、
NBCの報じ方は「あのケネディ大使の赴任している日本」にオバマが行っている、
というまるで「セレブ大使」のスター性を前面に押し出しての報道でした。
ちなみに、その「ケネディ大使のいる日本」の紹介ですが、大使が着任後に長崎で献花をし、
東北の被災地を訪問し、安倍首相とリニア新幹線の試乗をした一方で、
イルカ問題では日本の世論に警告を出したという内容でした。
尖閣や靖国、あるいはTPPという話題はNBCを例に取れば「訪日の第一報」では排除されていたのです。
そのオバマ大統領ですが、最初の行事が安倍首相との「高級寿司店での会食」という演出
は日本では「日米友好」とか「日本の食文化はソフトパワー」というニュアンスで報じられています。
舞台になった寿司店を扱ったドキュメンタリー映画はアメリカでも有名で、
いわゆる「知日派」とか「寿司好き」のアメリカ人には納得感はあるかもしれません。
ですが、ABCテレビなど一部の記者の「ブログ」には出ていたものの、
アメリカの23日夕方のニュースでは「寿司店での会食」の話題はほとんど報道されませんでした。
どうしてかというと、一人300ドルという価格を考えると「贅沢な食事」とか「過剰な接待」というニュアンスで受け止められ、
決して好印象にはならない危険があるからだと思われます。