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(>>1の続き)
「圧倒的な寂しさ」を生み出す離婚、シングルマザーという特殊な環境と心理。
子育て、貧困、うつ、借金、介護……出会い系サイトで売春するシングルマザーたちの生活は、惨たるものでした。そんな環境から
生まれる「圧倒的な寂しさ」が、彼女たちを出会い系サイトへ駆り立てているのかもしれません。
■生活保護を受給できないわけ
著者によると、取材対象者のほぼすべてが、精神科に通院していたといいます。
うつ病でまともに動くことが出来ず、預金は底をつき、家賃の支払いのためにクレジットカードでキャッシングをし、出会い系サイトで
出会った男性からもらうお金が唯一の収入……。
そんな状態のシングルマザーに、著者は取材の中で、生活保護を受給してはどうかと勧めます。ところが、彼女たちは世間体や
子供がイジメの対象になるのではといった危惧から、生活保護を申請しようとしなかったといいます。
また、生活保護を受給しようとしない理由として、もう一つ彼女たちが挙げたのが、「婚活にさし障りがある」という理由です。
「売春するシングルマザー」と「婚活」。意外な組み合わせに思えますが、「この苦しさから抜け出す手段って、再婚以外にある
のかな?」とつぶやく彼女たちの「婚活」は、彼女たちにとって、最後の希望の綱となっている状況でした。
本書を読んで浮かび上がってくるのは、出会い系サイトで売春するシングルマザーたちの、圧倒的な貧困。
彼女たちの実態は自己責任論だけで片付けられるものでは決してありません。
「心から望むのは、福祉を含め、社会全体の力で子供を育てていくことが『あたりまえ』に感じられる世の中になってほしいという
ことだ」(『出会い系のシングルマザーたち』172ページより引用)―著者は本書の最後でそうつづっています。
(終わり)