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そのビラだが、井伏鱒二が『黒い雨』で書いているところでは、次のようなくだりがある。
『ふと僕は、先月の上旬か中旬ごろ敵機の落して行った伝単の文句を思い出した。「いずれ近いうちに、ちょっとしたお土産を広島市民諸君にお目にかけたい」という意味のことが書いてあったそうだ。』(新潮現代文学2)
これを読むと、そのビラは明らかに広島に向けた警告だったことがわかる。原爆について、アメリカ軍がそれとなくにおわせ、伝単(ビラ)で予告したことは、はずれなかった。
それは、予告というより確かな警告だったのだが、その意味をまともにありのままに想像できる日本人は、当時あまりいなかった。