14/04/09 18:11:13.59 0
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世の為政者は国が内政上問題に直面している時に
外に敵を作ってナショナリズムを煽り世論の支持を得ようとする誘惑にかられるらしい。
特に「領土問題」は国民の感情に訴え支持を集めるまたとない媚薬となり得る。
数々の悲惨な戦争を経験したヨーロッパでは偏狭なナショナリズムを煽るのは「禁じ手」とされ、
特に「領土」を政争の材料にする政治家は「最低」との烙印を押される。
領土問題は古今東西、ほとんどの戦争の引き金となってきた。
第一次、第二次大戦という史上最大の悲劇の誘因は
ドイツ、フランスなど国境問題だ。その反省からEUはつくられた。
筆者が30年以上前に取材した、英国・アルゼンチン間のフォークランド紛争は示唆に富む。
大西洋上に浮かぶ絶海の小島をめぐり、領土ナショナリズムを煽った両国の為政者と
メディアの責任が大きいのは論をまたない。この無益な戦争で
両国の兵士1000人以上が死傷した。30年以上経った今でも抜本的な解決を見ていない。
当時の英国首相はサッチャー。日本では「鉄の女」として称賛される傾向にあるが、
英国を含む欧州各国の多くの人々から「戦争扇動者」と見なされている
2年前に石原東京都知事(当時)が主導した、
尖閣諸島「購入」「上陸」計画は平和の海に嵐を呼ぶ危険な挑発だった。
その後、尖閣問題をめぐり、日中双方に狭隘なナショナリズムが急速に広がり、
両国のメディアでは「けしからん」「もっと毅然と」「弱腰になるな」と勇ましい言葉が飛び交った。
国内に難題を多く抱える中国習主席も、うっ積する民衆の不満を「反日」という
切り札を使って抑え込んでいるとの見方も多い。統制されている中国メディアが
反日的な情報を国民に伝えることによってナショナリズムを鼓舞しているようにも見える
韓国も、日本との間で「竹島問題」や「歴史認識」をめぐりでぎくしゃくした関係が続いている
朴大統領や韓国メディアが日本を標的にして、
厳しい国内問題から国民の目をそらそうとしているのも同じ次元のようだ
留学生ら在留日本人が影響を受け、日本に住む韓国人、中国人たちも同じような不安を抱いている
為政者とメディアが「鬼畜米英」と声高に叫び、国民を戦争に駆り立て、
悲惨な結果を招いた戦前の愚を繰り返してはならない。(八牧浩行)