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(中略)
2012年12月に成立した第二次安倍政権では、様変わりしました。私が「質問主意書」で
問うたように、安倍首相の施政方針演説や所信表明演説から「日朝平壌宣言」が消えて
しまったのです。いちばん最近の演説を見てみましょう。
〈北朝鮮には、拉致、核、ミサイルの諸懸案の包括的な解決に向けて具体的な行動を取るよう、
強く求めます。拉致問題については、全ての拉致被害者の御家族が御自身の手で肉親を
抱きしめる日が訪れるまで、私の使命は終わりません。北朝鮮に「対話と圧力」の方針を貫き、
全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国、拉致に関する真相究明、拉致実行犯の引渡しの
三点に向けて、全力を尽くしてまいります〉。(平成26年1月24日、所信表明演説)
拉致、核、ミサイルには言及しているものの、「日朝平壌宣言」の言葉はありません。
おそらく意図的なのでしょう。国交正常化に向かう意志はないという宣言にほかなりません。
田原総一朗さんが安倍首相本人に伝えたように「趣味としての右翼」を実践しているのか、
それとも本音なのかはわかりかねます。余談ですが田原さんは安倍首相を「保守本流」で
右翼は趣味だと判断しています。私はそうは思いません。ネット右翼と同質の皮相な思想の
持ち主が首相になってしまったと思うからです。とはいえ日本の総理大臣であることは事実です。
ならばその条件のもとで拉致問題をどう解決していけばいいのでしょうか。安倍首相が
「日朝平壌宣言」を基本にしなければ交渉はそう遠くないうちに挫折するでしょう。
あえていえば安倍さんの挫折などどうでもいいことです。有本夫妻、横田夫妻をはじめ
として多くの家族が苦しむことを何とか一刻も早く解決しなければなりません。
横田滋さんは「首相は『私の任期中に解決』と言うが、何をしているか明らかでなく、
実績を見せてほしい」と記者に語りました(3月21日)。これが正直な被害者の
思いなのです。はじまった日朝交渉で戦術的に何が必要なのでしょうか。
有田芳生の『酔醒漫録』2014/03/31
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