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日韓については、双方に幼稚な点がある。韓国政府から時代錯誤な軍国主義の象徴だと非難された安倍氏の靖国神社参拝の決断は、
愚かなほど挑発的だった。第2次大戦中に何千人もの女性に性的奴隷を強いたことを認めた河野談話を再検討する可能性を示したことも同じだ。
韓国政府の行動も思慮に欠けている。朴大統領が日本の伊藤博文初代首相を暗殺した人物の記念像設置を中国政府に要請したのは余計だった。
旧日本軍出身で、戦後も日本寄りだった父親から距離を置こうとしていることが、朴氏の判断を鈍らせている。
一方、日本は挑発にたやすく乗ってしまう。多くが塗炭の苦しみを味わった韓国の従軍慰安婦の記念碑が米国で建設されるたび、
日本は自らの歴史解釈を周知するために代表団を送り込んでいる。日本政府がこの問題で共感を得ることはなく、
歴史が操作されていると感じる時でも黙って耐えることを学ぶべきだ。
こうした摩擦は不快なだけにとどまらない。米政府は同盟国である日韓が関係を修復することに利益がある。
数年前には情報を共有する合意を仲介したが、一連の対立を受けて頓挫した。今回の日米韓首脳会談で
明らかになったように、日韓政府には少なくとも北朝鮮問題という共通の政策課題がある。
日本と韓国はハーグの首脳会談で築かれたもろい土台を強化してほしい。両国首脳には対立をあおるのではなく、
鎮める責務がある。メディアも同様に、もっと繊細な全体像を示すよう励むべきだ。韓国だけでなく日本でも、
メディアがナショナリズム的な感情に迎合しつつある兆しがある。両国ではこうした感情が危険なほど高まっている。
安倍氏は河野談話の見直しを否定し、小さな一歩を踏み出した。朴氏はこれを受けて安倍氏との会談に応じた。
両首脳は少しずつでも関係を築いていかなくてはならない。(終)