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★数十万払ってでも優位に立ちたい、居場所がほしい ソーシャルゲーム勃興の裏に潜む承認欲求の存在
「強迫観念にとらわれたかのようにメールの返信を急ぐ人」、「せっかく一流企業に入ったのに辞めて、
所得を減らしてでも自分らしい職場を探す人」……。一見不可解な行動。こうした行動に駆り立てる
原因を探っていくと、「認められたい」という思いに行きつくことが少なくない。現代において私たちを
悩ませる最大の問題は、経済的不安ではない。「認められない」という不安なのだ。そこでこの連載では、
「“認められない”という名の格差」を考えていこうと思う。
今回のテーマは「ソーシャルゲーム」だ。GREEやモバゲーといった携帯ゲーム人気から始まり、最近では
「パズドラ(=PUZZLE&DRAGON)」ブームで運営会社のガンホーの株価が急上昇したりと、まさに社会現象を
引き起こした。しかしソーシャルゲームブームの裏で、「コンプガチャ問題」に代表されるように課金地獄に
ハマる人や、その他様々な問題が噴出している。そこで今回は、ソーシャルゲームブームの背景をひもとき
ながら、承認を切り口にソーシャルゲームにハマるユーザーのモチベーションを考えたいと思う。
僕自身はソーシャルゲームに無知なので、黎明期からソーシャルゲームを制作するある会社のディレクター、
佐々木さん(仮名)にお越しいただき、ソーシャルゲーム事情の最前線を伺うことにした。
◆そもそもソーシャルゲームって何? ちゃんと定義付けができてますか?
インタビューの前に、佐々木さんに「ソーシャルゲーム」と「ゲーム」の違いをわかりやすく説明してもらった。
いわく、「ソーシャルゲーム」は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などのコミュニティを
活性化させるのを目的としたゲームを指す。つまり、ゲームの前にソーシャル(オンライン上の人間関係)がある。
たとえば、GREEやモバゲーは元々SNSだったが、ここにゲームを追加したら人気を得たという経緯を経て、
結果的に2社ともソーシャルゲームが中心の会社となった。 (以下略)
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