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★「日常に潜む嫌韓」の怖さ 元・在日三世ライター語る
一部で過熱をみせている嫌韓・反日の動き。元・在日三世のライター・朴順梨(パクスニ)氏は、
日本社会の「ねじれ」の理由を考察する。
* * *
元・在日三世の私は書店に足を運ぶ度に、ため息をつくようになった。書籍のタイトルに「呆韓」「悪韓」「嫌韓」など、
韓国への非難や侮蔑ばかりが目に入るようになったからだ。
そうした本が目立つようになったのは昨年秋頃からだが、その半年ほど前から、東京の新大久保や大阪の鶴橋などで
行われている排外デモが激化している。デモには「竹島を不法占拠する韓国に抗議」「韓国は仏像を返還せよ」と
いったテーマが掲げられているものの、いつものように「ゴキブリ朝鮮人!」「朝鮮人ハ皆殺シ」など、シュプレヒ
コールやプラカードはヘイトスピーチに溢れている。どうしたらそこまでの憎悪を韓国・朝鮮人に向けられるのか。
当事者の私は半笑いで歩くデモ参加者を目にする度に、恐怖以上の疑問を感じていた。
「彼らは特殊な思想を持つ、ごく一部の人たち。いずれ収まるから、ほっとけばいい」
多くのマスコミ関係者がこう言っていた。しかしいまだにデモは収束していないし、今や書店の目につく棚に並ぶのは、
嫌韓・反韓をテーマにしたものばかり。
取材で排外デモ参加者たちと話してみると、彼らは、叩き出したいはずの私にキレるどころか、終始「普通の態度」で
接することがほとんどだった。それどころか中国の脅威に怯える女性は、6時間近く話し合った帰りに、お揃いの
ストラップをプレゼントしてくれた。体のあちこちにピアス穴を開けている男性は、鼻柱の両側の穴に楊枝を通して、お
どけた表情を見せてくれた。彼は過去に「朝鮮人はウンコ食え!」と朝鮮学校の前で叫んでいるのだが……。 >>2へ続く
※AERA 2014年3月24日号より抜粋
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