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安倍晋三首相が意欲を示している集団的自衛権行使の容認に関連して、
日韓両政府の協議で緊迫したやりとりがかわされていたことはあまり知られていない。
日本政府関係者が放った一言に韓国の政府関係者は凍り付き、言葉を失ったという。
◆「日本は韓国を助けない」
「朝鮮半島で再び戦火が起きて、北朝鮮が韓国に侵攻しても日本は韓国を助けることにはならないかもしれない」
昨年、開かれた日韓両政府の非公式協議で、日本側の出席者の一人がつぶやいた。
協議は、日韓の外交・安全保障問題をテーマに北朝鮮情勢や集団的自衛権の行使容認などについて意見交換するために開かれた。
発言の意味は慰安婦をめぐる歴史問題や竹島(島根県隠岐の島町)の不法占拠などで、韓国に対する感情が最低レベルに落ち込んだことを受けて、
朝鮮半島有事になっても日本は韓国支援に動けない可能性があるということを示したものだった。
ただ、その意味の重みを韓国側の出席者はとっさには理解できなかったようだ。
日本はすでに周辺事態法を平成11(1999)年に制定している。この法律は、朝鮮半島で有事が起きた場合、
韓国軍とともに北朝鮮軍と戦う米軍を支援することを主な目的としている。
「自分たちで朝鮮半島有事が起きたことを想定した法律を作っておきながら、今さら何を言うのか?」。
当初、韓国側の出席者にはあきれかえったような雰囲気が漂ったという」。
韓国側出席者のそうした表情を見て取った日本側出席者は今度はゆっくりとかみ砕くような口調で説明した。
「日本は米国との事前協議において、米軍が日本国内の基地を使うことを認めないこともあり得るかもしれないということだ」
ここに至って、ようやく韓国側の出席者も日本側出席者の発言の意味を飲み込んだようだった。
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