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★“日本一”東大法学部が「抜かれる日」も間近? 更新 2014/3/15 11:30)
東京大学法学部に元気がない。かつては政財界は言うに及ばず、芥川賞作家やプロの囲碁棋士ら
多彩な人材を世に送り出してきたのだが、近年はパッとしない。学部の「就職力」を詳しくみると、
日本一のエリート学部が、意外に就職活動では強さを発揮できていない。歴史とデータが物語る
「東大法の栄光と挫折」とは―。
東大法学部生の進路先を見れば、確かに“一流企業”の名も並んでいるが、やはり就職先は今も昔も
法曹界と官僚が基本だとわかる。ロースクールが2004年に開校してからは、進路は「大学院」が
常にトップを占める。
「ところが最近は司法試験に合格してからの就職難が話題です。これがさらに東大法の逆風となる
可能性がある。実際、文Iと文IIの人気や難易度が逆転する日が来るのではないかと注目する教育
関係者もいるほどなんです」(大学通信の安田賢治・常務取締役)
長く文系最難関だった文Iが文IIに逆転される―東大法の“凋落(ちょうらく)”が迫っているのだ。
この原因を「エリート教育の崩壊」と指摘するのは、自身もOBで経産省に進み、現在はシンクタンク
「青山社中」代表を務める朝比奈一郎氏だ。
「戦前の帝大法は、近代国家の土台を担う真のエリート育成に加え、法技術教育にも力を入れていた。
だからこそ、あれだけ首相が輩出したのだと思います」
日本の歴代首相62人のうち15人、約4分の1が東大法の前身である、「東京帝大法学部」卒だ。
1924(大正13)年の加藤高明から始まり、特に戦後は吉田茂、鳩山一郎、岸信介と大物が続く。
最後は91年の宮沢喜一だが、実は「東大法学部」となってから後、卒業生の首相は誕生していない。
「戦争責任に対する反省は理解できますが、やはり戦後の東大法はエリート教育を忌避しすぎました。
法哲学や国家観を自由に論じる機会は減り、実務的な法教育中心になってしまった。
文字どおりの官吏育成機関となってしまったんです」(朝比奈氏)
※週刊朝日 2014年3月21日号
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