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★大阪都構想は後付け W辞任“真の狙い”は関心度UPで勢力拡大
「大阪春の陣」の火ぶたが切って落とされた。
大阪維新の会のツートップ、大阪府の松井一郎知事と大阪市の吉村洋文市長が8日、半年後の任期満了を待たずにそろって辞任。
維新が看板政策に掲げる「大阪都構想」の実現が目的だという。
もっとも、「公約通りに大阪都構想を実現するため」などの理由は後付けにすぎない。
松井、吉村の両氏がダブル辞任して再選をもくろんだところで、いわゆる「大阪都構想」の実現は果てしなく困難だからだ。
だったら、任期を半年以上も残してダブル辞任する維新の狙いは何か。理由は簡単。
4月の統一地方選と知事選、市長選を同時に実施するトリプル選に持ち込み、
世論の関心を高めて投票率を上げ、維新の候補者を一人でも多く勝たせるためだ。
2011年4月の統一地方選では“橋下徹旋風”が大阪に吹き荒れ、「橋下チルドレン」と呼ばれる新人議員が大量に誕生した。
だが、橋下氏が維新を去ってから以前ほどの風は吹かず、維新にかつての勢いはない。
今回のダブル辞任は「風よ、もう一度」と二匹目のドジョウを狙ったとしか考えられない。
松井氏は昨年12月26日、都構想の実現に欠かせない住民投票の実施時期を巡り、公明党大阪本部と密約を結んでいたことを暴露。
維新と公明が交わした「合意書」をマスコミに公開した。住民投票実施のタイミングを巡って両党は激突し、
維新が求める日程を公明党が拒否したため、怒り狂った松井氏が暴露作戦に出たのだ。
その後も松井氏は公明に対して、ダブル辞任や国政選挙で対立候補をブツけることをにおわせて密約を果たすよう求めたが、公明は知らん顔。
かえって維新への反発を強めている。
万事がこの調子。今さら維新のツートップが再び知事、市長の椅子を手に入れても公明が翻意することは、まずない。
住民投票にこぎ着ける唯一の方法は、維新が統一地方選で勝利し、大阪府議会と大阪市議会で単独過半数を取る以外にない。
だが、小選挙区制の府議選はともかく、よほどの“強風”が吹いても中選挙区制の市議選で維新が単独過半数を取ることは困難。
公明の協力がなければ都構想も住民投票も実現不可能である。だが、今や公明は維新と絶縁状態。
その態度は統一地方選後も変わらないとみられている。
いったい何のために知事と市長を放り投げるのか。冷静な大阪府民、大阪市民にすれば、さっぱり意味不明な今回のダブル辞任である。
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