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#柳に風:2人の死、責任を論じよ=松井宏員
毎日新聞 2015年02月18日 大阪夕刊
なんだか釈然としない。例の人質事件のその後のことだ。過激派組織「イスラム国」の人質となった2人が殺害されたのだから、
その責任はどこかにあるはず。なのに野党は「テロ行為は許されない」と当たり前のことを言うばかりだし、安倍政権の対応を
批判した人を「イスラム国寄り発言」とあげつらう新聞まである始末。言論封殺ではないか。
イラクやアフガンの取材経験が豊富なジャーナリストの西谷文和さんに聞くと「日本政府の失敗ですわ」と明快な答え。
「安倍首相が訪問先のイスラエルで、イスラエルの国旗の前で『テロに屈しない』と宣言したのが、イスラム国を刺激した。
現地対策本部をヨルダンではなく、イスラム国とパイプがあるトルコに置くべきやった。ヨルダンはイスラム国からすれば敵やから」
後藤健二さんと、ヨルダンに拘留されていた死刑囚との交換期限とされた1月29日、西谷さんは何度も外務省中東アフリカ局に電話した。
「僕の通訳がシリアからトルコに逃げてきた避難民で、イスラム国の幹部とスカイプでつながってた。日本政府の責任ある人なら交渉できると」。
しかし無視された。ほかにもイスラム国との具体的な交渉ルートを提案した人たちがいたが、政府はなぜか相手にしなかったという。
「最大の失敗は」と西谷さんが続ける。本紙8日付の検証記事にもあったが、1月28日に後藤さん解放の動きがあったという。
「ヨルダンが交換に応じて、死刑囚の身柄をトルコに運ぼうとしていた。ところが、捕虜になっていたパイロット解放を求めるデモが
国内で起き、ヨルダンは交換をやめた。日本の詰めが甘かった。後藤さんは助けられたんです」
ならば日本政府の責任は大だ。「国境なき記者団」が今月12日に発表した「世界報道の自由度ランキング」で、日本は61位。
2010年の11位からえらく下がった。報道の自由とは政権批判の自由。批判を許さない国は、もはや民主主義国ではない。
順位を押し上げないといけない。(夕刊編集長)<タイトルイラスト・高宮信一さん>=次回は3月18日
ソース:毎日新聞
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