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★【国際情勢分析 川越一の目】冬季オリンピック招致狙う中国、アピールの場・南京ユース五輪で掲げるのは「節約」と「中国夢」
2014.7.27 12:00
日本オリンピック委員会（ＪＯＣ）は今月１７日、８月１６日から２６日まで、中国江蘇省の省都、
南京で開催される第２回ユース五輪に参加する日本選手団の主将に卓球男子の村松雄（ゆう）斗（と）（１７）
＝エリートアカデミー、旗手にバドミントン女子の山口茜（あかね）（１７）＝福井・勝山高＝が決まったと発表した。
新聞の片隅にも載らぬほど、日本国内での南京ユース五輪への注目度は低いようだが、北京市と河北省張家口市が
２０２２年冬季五輪の招致（共同開催）に乗り出している中国にとっては、重要なアピールの場となりそうだ。
◆「人海戦術を採らない」
南京ユース五輪組織委員会は２２日、８月１６日午後８時（日本時間午後９時）から行われる開会式の準備状況に
関する記者会見を開いた。中国メディアによると、開会式の演出を担当する演出家、陳維亜総監督は席上、
「今回の開会式の演出は“人海戦術”を採らない」と述べたという。
五輪など国際競技大会の開閉会式は、回を追うごとにアトラクションの演出が派手になってきたが、
２００８年北京五輪開会式で張芸謀総監督を補佐した経験がある陳氏は、「南京ユース五輪の開会式の演技者は、
これまでのトップクラスの大型イベントの中で最も少なくなる。北京五輪開会式の演技者は１万４０００人に達したが、
我々はその３分の１ほどでしかない」と説明した。
開会式は五輪などと同様、式典とアトラクションの２部構成となる。アトラクションの参加者の９５％は青少年で、
南京芸術学院から選抜した舞踏専攻の学生５００人が斬新なダンスを披露するという。陳氏は「今回の５００人が
発揮する表現力は、２０００人以上の効果がある」と主張。中国メディアは「費用はここ十数年のトップクラスの
イベントで最低となる」と“節約大会”を強調した。
◆市民の不満をそらす
“節約”を原則に掲げるのには、２つの狙いがうかがえる。１つはイベントに巨額の公的資金を投入することに対する、
一般市民の不満の矛先をそらすこと。そして、もう１つが、五輪の肥大化という現状の改善を迫られている
国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）に向けたアピールだ。
来年７月に開催地が決まる２０２２年冬季五輪の招致レースは、膨らむ開催費用や住民の反対などで、多くの都市が
立候補を断念する事態に陥った。結局、最終選考に残ったのは北京のほか、カザフスタンのアルマトイ、ノルウェーの
オスロの３都市。今後、五輪開催に名乗りを挙げる都市がなくなるのでは、といった懸念もささやかれている。 >>2へ続く
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微笑みと手の振り方の練習をする、南京ユース五輪で案内役を務めるボランティアの女性たち。
中国当局は“節約大会”となることを盛んに強調している＝１３日、南京（ロイター）
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